感じない子ども こころを扱えない大人
買ったまま放置してあった 『感じない子ども こころを扱えない大人』(袰岩奈々著,集英社)を読む。 もやもやした気持ちとかネガティブな気持ちとかを, ないことにしてしまわないことが大事なのは言うまでもないのだけど, ある決まったプロトタイプに押し込めてしまうのがまずいというのも重要なことだと思う。 そんな気持ちは大抵めんどうくさいものなので, さっさと片付けてしまいたい, そのための落ち着き場所としての「正解」を求めてしまっていることを危惧している。
秋葉原の通り魔 事件 があったとき,いくつもの「分析・解説」がマスコミに投じられた。 しかし,こういった事件に「意味」を持たせることがよくないと 池田信夫氏 は言う( 内田樹氏 はそういいながら解釈しまくってるような…)。 そこでは模倣犯を生む(実際その後の「犯行予告」はかなり多かったように思う) ことが理由として述べられているが, 同書では「解説」に納得をすることで自分の中に本来おきているはずの不安や恐怖を 封じ込める(=向き合うことを避ける)ことを問題にしている。 人間そんな単純なものじゃないのに。 自分ってものがどろどろしてることくらい,認めておいた方が楽なのに。