不定期戯言2

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2012/02/12(Sun)

日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか

今日は 「高校数学・新課程統計分野研修会2012冬」 があったり, 「ゆる速」セミナー があったりしたのだが,私は部活の試合の引率。 本校の参加者が少なかったので待ち時間が長い。 そんなわけで『日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか』(山田奨治著,人文書院)をその間に読む。 生徒がこれを読もうとしたら,今やってる授業が下準備になるかな (授業で話すために考えてきたことは大きくは間違ってはいなさそうだけど, 説明が足りないことはいくらかある)。

特に興味をひかれたのは第4章 「ダウンロード違法化はどのようにして決まったのか」の部分。 2006年からの私的録音録画小委員会の議事録を読み解いているのだが, 自分がいかに結果から読み取れる表層しか見ていないかということを思い知らされた。 参加者がそれぞれ背負う立場の利害のために,理念の話がまったく追いやられている。 もちろんこの読み解きには山田氏のフィルタがかかっているわけだが, 津田大介氏の孤独なストラグルが切ない。 『情報の呼吸法』で書いてたのはこのことだったんだな。

やはりこの話は生徒に伝えていかなくてはいけない,と改めて思った。 彼らが社会の主役になるために,知らなくてはいけないことなんだ。 私が著作権の授業の中で,特に30条以降にある著作権の制限について話したいと 考えていることは多分間違っていないだろう。