不定期戯言2

戻る

検索条件:2013年12月22日 

2013/12/22(Sun)

日本情報科教育学会第6回フォーラム

フォーラムが毎年この時期にあるので,参加できないことも多かったのだが, 今年はちょっと無理をして出てきた。会場は日本大学文理学部。

前半は情報学教育関連学会等協議会2013。 といっても,会議に参加するのでなく,議論の様子を見学しているのだが。 私は情報処理学会と日本情報科教育学会に属しているわけだが, 情報教育については両者のスタンスはずいぶん違う。 情報教育に関して大学の先生方と関わるようになったのは情報処理学会関係が最初で (その頃はまだ日本情報科教育学会はできてなかったし), 情報教育に熱心な方々が多いのだなあと思っていたのだが, 実は情報処理学会全体から見ればそういう人はごく少数なのだった (研究会で顔をあわせるのは情報教育に熱心な人だから, そういう人ばかりなのだと誤解してしまっていた)。 だから情報教育に関しても提言や試作教科書といった形で外から方向を示すことが多かった。 一方,日本情報科教育学会は最初から情報科教育のことを中心に据えているので, 教育の現場の話が中心になるのは当然で, 中から何をしていくかという考えになる。 両方にまたがって見ている者からすれば当たり前でみんな知っているだろうと思っていたことが, 意外に共有されていないことに驚いた。 もちろんどういう活動をしているかということはだいたい知っているのだが, その意図といったことまで伝わっているわけではないのだな。

後半は講演会。文科省の上野氏から中学校の技術科における情報教育の話, 永井氏からは高校の情報学教育の話。 普段我々は中学の技術科との連携がどうこうといった話はするが, こうやって話を聞いてみると詳しいことは知らないのだなということを思い知らされた。 技術科というのがテクノロジを扱う唯一の教科であること, テクノロジであるために他の教科と違った側面・評価軸を持つこと, 生徒たちが解決する問題は今ある問題でなくまだ発生もしていない問題なのだから, 彼らが生涯にわたって学習していくために必要となることを教えていくということなどが話された。 永井氏からも「ICTのCとTばかりに力が注がれてはいないか。Iが大事だということを忘れていないか」 という示唆があった。

懇親会でも興味深い話を聞くことができて, 今回ちょっと無理してでも来たことで収穫があった。 夜行バスでの往復で,ちょっときつかったけど。