不定期戯言2

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2015/10/28(Wed)

手計算のための絶妙な調整

「2015年センター試験数学IAを全てプログラム(Python)で解く」という 記事 が話題になっている。解いた過程についてはお疲れ様の一言だが, 最後の考察は私が常々考えていることと重なる。

試験の問題というのは手で解けるような絶妙な調整がなされている のはセンター試験に限らず,高校までの物理や数学のテスト全般に言えること。 数字が中途半端だから電卓を使おうなんて話には決してならない。 でもね…現実の値ってそんな「絶妙な調整」はされてないから電卓が必須で, それで数値が合ったときは本当に気持ちがいい。 きれいな値になるよう仕組まれた問題で予定通りの答えを出す能力はそれはそれで必要なのだけど, 「現実」はそんなお膳立てなんかしてくれないこともどこかでわかってほしい。

昨日,同僚が作ったプリントを見せてもらった。 「彼らの多くは30°,45°,60°の間にも三角関数の値があることをわかっていない。 ラジアンで表される角度にはπが必ずついてると思ってる」 ということで,10°か5°刻みの0°から360°までの値をラジアンになおして三角関数の 値を出して,それをグラフにしたり,(sinθ)^2+(cosθ)^2の値を計算させてみたりする 作業を表計算ソフトでやらせようということらしい (私は0.01ラジアン刻みで0〜6.28でもいいと思うが)。 惜しむらくは,それが情報の授業であって数学の授業ではないということだ。