mixiの数学コミュで「√2が無理数であることの証明で,
p/qを既約分数とすること」について議論しているようだ。
最初はそれが間違いだとしていた人も,
次第に「初学者にとっては論点の先取りではないか」と態度を緩めたようで,
その後は素因数分解の一意性とか脱線しまくってるようなので今から加わろうという気は
まったくない。
ここでは自分の思った(考えた,ではない)ことを述べる。
その「先取り」というのは,証明の後段にならないとp/qを既約とする必然性が分からないと
いうことを理由にしているようだが,
それは「下書き」と「清書」の区別がついてないということではないだろうか。
確かに最初にp/qとしたところでは既約であることが必要だとは思わないだろう。
そして無限降下に陥る手前で「最初から既約ってことにしとけばここで終わるんじゃね?」って
気がついて,さかのぼって「初めから」既約だったことにする。
その流れはきわめて当たり前のこと。でもその試行錯誤は「下書き」でやることであり,
教科書に載っている証明は「清書」だからそんなことをする必要はない。
最初から清書を書き進めるなんて芸当は,
余程の手練れでないとできっこない。今年の夏は久しぶりに数学の講習を担当したので,
下書きの重要さをアピールしたのだが,どのくらい伝わっただろうか。
しつこいようだが,「解答読解」の愚から生徒を解放したいのだよ,私は。