不定期戯言2

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2012/02/06(Mon)

CE113

4,5日は情報処理学会コンピュータと教育研究会の第113回研究発表会(CE113)に参加してきた。 会場は三重大学。

資料はPDF配布なので,中華PADで読むことにした。思ってたよりやりやすい。 私の発表の2つ前に,保井氏(静岡大学大学院)の 「ブロックエディタ方式によるプログラミング構造化教育支援システム」という発表があって, かなり意識した。というのは, やろうとしていることや,生徒・学生の反応についての考察に, 似通ったところがいくらかあるからだ。 Scratchみたいにタイルをはめ込む形でプログラムを作り,それがJavaのソースコードになる (逆にJavaのソースをタイル化することも可)というもの。 質疑のところで何人もが「これ(BlockEditor)ください」と言う。私だって欲しい。 もう卒業されるということらしいが,これは何らかの形で継続してほしいな。 後輩に委ねるとか,パブリックドメインにしちゃうとかで。

で,私の発表。「PenFlowchartの開発」というタイトルだが, そもそもタイトルの付け方が間違っている気がする。PenFlowchartなんて書いても わからんやん。abstruct見れば少しはわかるけどさ…。

発表は最初から最後まで緊張しまくり。だってPENプロジェクトの松浦先生も西田先生も会場にいるし, PenFlowchartのAndroid版を作ってる学生さんもいる (彼女の作ったものを懇親会のときに見せてもらったが,私が思いつかなかったアイディアで うまく問題を解決してるところがあって感心した)。 さらにBlockEditorの発表者もいれば,彼を指導した静岡大学の松澤氏もいる (懇親会のときに,この手のことがスムースにできるような中間言語とか作れないかなという話をした)。

話してる20分間,なんかずっと頭が空回りしてた気がする… ここ何日か脳内リハーサルやりまくってなかったら途中で破綻したかもしれない。 質疑でいろいろアイディアをいただいた。特に, 生徒がPENでインデントやブロック構造を壊してしまうということについて 「生徒はおそらく,その部分を削った方が自然な日本語になるからそうしてるのではないか」 という指摘は私がまったく思い至らなかった部分。 質疑が盛り上がって座長がコメントする時間がなかったので, 終わってから立田先生に批評をいただいた。 やっぱり今回は生徒の反応を調査することについて,うまくできなかったという反省がある。 学期の途中でいきなり導入したものだから(そもそも作ったのもSSSの会場でいきなり思いついたという ことなのだし)計画とか全然なくて,指導についても調査についてもグダグタだったし。 来年度はこのあたりをもうちょっとうまくできないかな。

発表の資料は こちら で公開しておく。

他の発表のいくつかに共通して思ったこと。たとえばBebrasでもそうなんだけど,あれを 生徒はComputer Scienceだと思ってくれるだろうか。 もちろんそれを意識するのは子供たちでなく我々の役割なのだし, 意識せずに能力を高めることができればむしろ喜ばしいことかもしれない。 ただ,私はここで期待する能力が,コンピュータにしか関わらないことだとも思えない。 他の教科でもその能力を利用したり高めたりできる場面を作ってほしいんだがなあ。

2012/01/27(Fri)

祖母他界

母方の祖母が今年100歳になるということで,この正月に自分たち孫が集まって写真を撮った。 そして今日,他界したと知らされた。 ああ,とうとうか。 安らかであってくれただろうか。

不遜な考えを連発してみる

月曜日はちょっと無理して プ会 へ。そのときに「WordやExcelを教える必要があるのか」という話題がでた。 私の考えは,先にWordやExcelがあるのではなくて, 考察したい対象がまず先にあって,それを扱う上でコンピュータを使わないと どうしようもない状況が発生するから, そのための下地となる能力としてそれらが必要になるだろうということだ。 それが目的なのだから見栄えの整形だとか, 計算式を使わない表計算の利用なんてことには何の意味があるのかわからない。 でもどうだろう,世の中にはコピペや穴埋めをすることで仕事ができてしまう人も いるんじゃないだろうか。 だから「そのための」ツールとしてのWord,Excelを学ぼうとする人もいるような気がするんだ…。

職場の会議というか意見の拡散を目論んだ会合で「生徒が試験前に勉強してるようじゃ終わりだ」 という発言をした。もちろん試験前には試験前用の勉強があるのだから (スポーツ選手が試合前の調整をするのと同じように), 試験前にまったく勉強しないのがいいということではない。 しかし生徒を見ていると,それ以前のことを試験直前になってからやってるように見える。 試験前にしっかり勉強をさせるという考え自体は悪くないのだけど, その「しっかり」が何か間違ってるような気がするんだ…。 私は勉強や仕事については腕力にものを言わせてやってきたところがあるから, 点数をとるための技術というようなことは今でもよくわからない。

こないだtwitterに 「回り道の一つもしないで何が勉強だ」 と書き込んだら数人にRTされた。 今『アホ大学のバカ学生』(石渡嶺司・山内太地著)を読んでるんだけど, 第4章のバカ学生がまるで私のことを言ってるみたいだ。 今でもそういうところは残ってるけど, 効率よく利口な手段を選ぶために何かを我慢するなんて耐えられない, 待つことの嫌いな(って『青い麦』にあったっけ?)そんな男の子だったから。 そうして通ってきたいくつもの回り道が, 決して無駄にはなってないという実感がある。 もちろんそういう実益があったことだけがいいことじゃなくて, 楽しかったということが一番。

2012/01/21(Sat)

論理的思考の放棄

Facebookで長瀧氏が,登大遊氏の 「論理的思考の放棄」 を紹介してたので読んでみた。 普通の開発者の作業量が数百〜数千行/月であるというのは 私から見ても少ない数字なのだけど, 開発者集団というシステムの中で仕事してるといろんな「作業」が必要になるから じゃないのかなあという風に思ってしまった(「人月の神話」じゃないけど)。 登氏の数千〜1万行/日というのはすごい数字だと思うが, これは設計が彼の頭の中で出来上がっていて, あとはそれを書き下すだけになっているからなんだろうなあと想像する。

彼のいう「論理的に考えないこと」はすごく納得いく話だ。 たとえば私が数学について何かを考えるとき, それを支配しているのは論理ではなく感覚だ。 そして考えた結果を表現するときに論理が使われるが, それは単なる作業に過ぎない。

しかし学校の勉強ってこのアウトプットで使う論理のことしか教えてないんじゃないのかなあ。 でもそれじゃ何も「考えて」いない。 肝心なのは自分の中にどれだけ数学の世界を作り上げるかということだと思うのだけど (張栩棋聖が言ってた「精密な碁盤を頭の中に作る」もそういうことなのかな)。

プログラミングも同じようにきっちり設計で「考えて」しまえば, コード書く最中に考えて手戻りしなくていいのかもしれないなあ。

おまけ:ずっと前にFacebookで「感電したことがあるか」という投票があったのだけど, 元ネタって これ

2012/01/20(Fri)

プレゼンはTeX

CE113で発表するためのプレゼンをImpressで作り始めたが, なんだか全体が見えにくい気がしてイライラしてきたので, Beamerで作り直し。 来週再来週は入試のことばかりになってしまうので, この週末にあらまし作ってしまわないと間に合わない。 というか,落ち着かない。

2012/01/19(Thu)

Google Test

先日の わんくま同盟 名古屋勉強会 #20 & 第39回 名古屋アジャイル勉強会 & TEF東海 勉強会 でテストのことを教えてもらったので,自分でも試してみる。 当日のワークショップでは作者がその場にいたということもあって PCUnit を使ったのだが,DebianにはGoogle Testのパッケージがあるようなのでそれを使ってみる。 ライブラリ作ってどうこうするのに迷いはあったが (確かにドキュメントにはpthread使うかどうかって書いてあったけどさ…), 作ってみれば簡単にテストができてしまうのだった。 SetUpとかどうするのかなと思ったら, testing::Testを継承すればいいのね。これはわかりやすいわ。 まず今つくってるサーバのテストをやってみたかったので, 接続とか認証とかそういうのが自動でできる風じゃないとつらい。 ドキュメントを 邦訳 してくださった方がいるというのもありがたい。

2012/01/15(Sun)

センター試験

昨日今日はセンター試験だったようだ。 英語だけざっと解いて自己採点してみた。 154点か,さっぱりだな。 そういえば,日本語で答える問題ってなかったような気がする。 前からこんな風だっけ?

訂正:採点ミスしてた。正しくは160点。

2012/01/13(Fri)

PenFlowchart 1.2リリース

今回はバグフィックス。 一つはセーブ時に後判定ループの条件が書き出されてなかったこと。 もう一つは削除・カット・ペーストをしても変更されたフラグが立ってなかったので, 終了するときにセーブするか聞かれなかったということ。 公開はいつものように http://watayan.net/prog/ で。

2012/01/12(Thu)

CE113の準備

情報処理学会 第113回コンピュータと教育研究発表会 の原稿はなんとか間に合って提出した。 目論見通りにいかなかったことがいくらかの部分を占めてしまって, だったら書かなくても良かったんじゃないかと思わないでもないんだけど, 失敗は失敗として記録には残してもいいと思ったのでそのままにした。 これから入試(本校を受ける方の)で忙しくなるので, 発表用のプレゼンは早いうちに作っておいた方がいいだろう。 原稿を書いた頭が残っているうちに。

2012/01/06(Fri)

コンピュータは計算もできる

昨年末にスティーブ・ジョブズがなくなった後に放送された 特番を見ていてふと思った…ああ,私はコンピュータに計算をさせたいのだ,と。 彼がやってきたことの中には「コンピュータは計算のためだけにあるのではない」という考えが 現れているものが多くあったと思う。私もそれには賛同する。 その一方で,これを使えばもっと高度な計算もできるのに, そういう使い方が蔑ろにされてはいないだろうかとも思ってしまうのだ。