不定期戯言2

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2011/08/15(Mon)

全国高等学校情報教育研究会(続き)

前に 書きかけた分 の続き。

分科会はあちこちをはしご。 最初は第1分科会(新学習指導要領にむけて)で 「オープンソースを活用したネットコミュニティの授業について」(都立上野高校,能城茂雄氏)。 新指導要領ではSNSなども視野に入っているのだけど, 外部のサービスを利用するのはいろいろ問題がある。 だったらポケットマネーや消耗品で買えるパソコンにDebianとか入れて, OpenPNEとかで生徒にいろいろやらせてみればいいじゃん,という話。 時間があまったので最後にインストールのデモまでやったりして。 Lennyにインストールする方法を彼が まとめたもの があるが,squeezeでもそんなに変わらないだろう。

「情報Aから情報の科学へ」(都立町田高校,小原格氏)。 特にモデル化とシミュレーションについて。 実教から出ている専門教科の教科書が役に立つとのこと。 状態遷移図やPERT図もうまくやれば教えられるんだな, これらはコンピュータに関係なく持っていてほしい知識ではあるからなんとかしたいな。 数式モデルについては,数学ではやはり手計算でやれることしかやらないだろうから, コンピュータ使って楽に計算することで,これも思考の一方法だと取り入れてほしい。 そのためにはそんな複雑なモデルを考える必要はないんだよな,ということを実感した。 そういえば状態遷移図は兼宗先生の講演にも出てきていたな。

第3分科会(情報の科学)にうつって「Script型言語を用いた情報の科学的理解」 (石川県立金沢二水高校,鹿野利春氏)。 HSPを使った実践。やっぱりイベントドリブンだと作ってる方も楽しいよな,うん。 また,生徒に無理をさせないことも大事ではあるけど, 教える教師の側も無理をして背伸びしすぎちゃだめだということを強調していた。 本格的な言語だと習得も準備も大変なんだから,Scriptでやれるやつでいい, いまどきのパソコンはじゅうぶん速いんだから,と。

次の「暗号化鍵を指導する工夫」(山口県立岩国高校,山下裕司氏)も気になるのだけど, 冊子でおよその概要はわかるので第4分科会(授業評価と育成)に移動して 「教科『情報』で生徒たちに具体的にどのような力を身に付けさせたいか」(近江兄弟社高校, 長谷川友彦氏)。まず,「操作は教えない」ということを強調した。これは 2年前のブログ へのtss氏のコメント

あと、どうしても操作の教育やるなら、絶対操作を教えちゃだめだと思ってます。 操作は発見させなきゃいけませんね。 と同じ話。自分のやりたい操作がどういうことなのか噛み砕いた上で画面をよく見れば わかるはずだということ。 また情報は「報せる力」だけでなく「報せられる力」もある, 漠然と見ているだけでは正しい読取りができないことにも触れた。 たとえばExcelのデフォルトのままグラフを作ってしまうとどんなことになるか, グラフができたところで安心してしまうのでなく, それがどのように読まれるかを意識することで正しい表現を選択させようということだ (このあたりは統計リテラシにも通じるか)。 これは先に述べた「GUIは見ればわかる」の一歩先の話だ。 見たままボタンを押せば一応の結果は出るけど, それが本当に自分の意図したものであるかを吟味し, 必要ならば直さなくてはいけない。

(兵庫県立西宮今津高校,佐藤万寿美氏)。 Moodleをまっとうに使った実践。小テストとかもきちんとやったとのこと。 クラス成績で1クラスだけやたらと点数の高いクラスがあったが, そこは満点3回以上で次の問題に進むルールを設定したため, 反復回数がすごく多いということ。生徒にはおおむね好評なようだが, 「疲れる」という意見もあったらしい。正解に至るまで反復できるのはいいが, それはそれで疲れるのだとか。

最後は第2分科会(社会と情報)に移動して 「統計リテラシーを育成するアンケート調査実習の実践と課題」 (名渓学園中学・高校,大貫和則氏)。 アンケートの数字をなんとなく眺めてなんとなく傾向を見て終わるのでなく, 検定まできちんとやろうというもの。もちろんその前の準備段階も企画書作りから 始まってずいぶん時間をとっている。 おもしろいと思ったのは,必ず2×2のクロス集計ができる形での仮説を作らせて作業していることだ。 そうすることで統計的な処理の方法をまとめて教えることもできるし, 他の班の結果を理解しやすくもなる。検定には Javascript-STAR を使用しているとのことだ。 この方向で数学科と連携できれば,実り多い授業ができそうだ。

閉会式で,参加者が ちょうど 256人だったとの発表があって,会場が沸く。 次回は東京情報大学(千葉県)か。 そのとき,愛知県の研究会はどうなっているだろう。

ポスターセッションのことを書き忘れた。 天白高校近藤氏の「楽しみながら学ぶ音のディジタル化」にあった,音をA/D変換して生数値を見せるというのはおもしろい。これをD/Aすることで誤差の話もできるだろう。

茨木高校八幡氏の「Webアクセシビリティ」で扱われた色覚の話は私も授業で知識としては話すが,実感させる方法がほしいなあ。

中央大杉並高校生田氏の「社会と情報に向けて今から準備すべき事」は著作権などについてより深い示唆を与えてくれた。

大阪学院大高校松本氏らの「論理パズルを利用した情報・総合の授業の展開について」は BITS PUZZLE を用いたもの。論理は本来なら数学で教育されるものだが, 実は数学ではろくに論理を身に付けさせてはいない。 単にストックフレーズに状況をあてはめさせることを繰り返しているだけだ。 そう考えると,論理が本当にわかるのはアルゴロジックやこのパズル,詰碁や詰将棋のような ゲームでしかできないのではなかろうか。

2011/08/14(Sun)

同窓会

5年ぶりに高校の同窓会。80名以上の参加になったようだ。 今回はちょうど直前にFacebookでだいぶつながりができたようではあったが, でも実際に顔を合わせてしまうとまあそんなこと関係なしに普通だ。 この面子と会うと,異様に無防備になってしまうな。 次は5年後でどうかとのこと,そのときにはかみさんも連れていきたいな。

2011/08/12(Fri)

もげろ

東京ではあちこちでフライング発売されているという噂を聞いていたが, 我が家には今日amazonから届いた。 『中国嫁日記(1)』(井上純一著)。 書きおろし部分とコメント以外はWebでほとんど読んであるのだが, 改めて読むといろいろほほえましい。

書きおろしは二人のなれそめ。 うーん,ほんとに期せずしてうまくいった部分があるんだなあ。 夫婦ってたぶん,この人じゃなきゃだめってことはないんじゃないかな。 別の人だったら別の人なりに,また別の生活があるのだろう。 だから「なんとなく」の部分が大事なんだと思う。 よく婚活で相手に高い条件を要求してる人とかいるみたいだけど, あれはたぶん私の思っている「結婚」とは違うものだ。

2011/08/08(Mon)

大阪を散策

研究会に参加する何人かと飲もうということで,前日(4日)のうちに大阪入りしていた。 ちょっと時間が余ったので,待ち合わせ駅からそんなに遠くない大阪大学まで散歩してみた。 あれ?この道順,なんだか記憶にある…いったいいつ大阪大学に来たんだっけ。 ブログには見つからないけど,たぶん同じ行動を前にもとったことがある。 この金網と木のせめぎあいは見覚えがあるんだ。

翌日(5日),研究会は午後からなので,午前中に万博公園へ。1970年の大阪万博以来 約40年ぶりに太陽の塔を見上げてみたいと思ったのだ。 ひさしぶりに対面してみると,やはり大きい。

本当はもっと時間をとって, みんぱく を見たかったな。

全日程が終わって6日の帰り,高槻に寄って 一発屋 で地獄ラーメンの四丁目に挑戦。確かに辛い。 でも辛いだけじゃなくて旨みもしっかりあるので,麺はおいしくいただけた。 しかし,スープは無理。体が危険信号を出していたのでギブアップ。

帰って体脂肪率を測ったら18.8%と表示されていた(普段は朝23%,夜21%くらい)。 さすが!

写真 を置いておく。

全国高等学校情報教育研究会

第4回大会ということで大阪経済大学へ(8/5,6)。 初日はまず兼宗先生の 講演 。マインドマップでメモを取りながら聞いていた。 情報で教えている「仕組み」が「科学」に偏りすぎていて「技術」に及んでいないこと, 仕組みといくつかの本質的な原理を教えれば生徒は理解を進められるのではないかということ, 数学や物理と情報では同じ題材を扱っていても狙いは異なること, 科学だけを教えていたのでは意味がないということ, 生徒の前で教えられるだけの専門性を教員が身につけることの重要性… といった話が印象に残った。

その後はポスターセッション。狭い中に十数件の発表があって,これはすごい。 尻込みしていてはもったいないので,あちこち話を聞いてみる。

こことか懇親会で複数の人から「わたやんさんですか」と声をかけられた。 例のアイコン通りの顔をしていることでわかったということなのだけど, 実績もないのに名前と顔が知られていくというのはかっこいいことではないので, なんとかせにゃならんな。

ああ,2日目の内容についても書きたいところなんだが, ちとばたばたして書けない。また後日。

2011/07/31(Sun)

アプリの国際化(?)

はかるだけCSVのメッセージは日本語で作っていたのだが, ちゃんと英語環境なら英語で表示されるように直して公開した。 ソフトの説明も英語版を用意して,日本限定公開にしてたのを海外もOKにした。 そうしたらインストール数がいきなり3倍に(といっても5→15だが)。 しかも,日本語で使ってる人までおよそ2倍に(といっても5→9だが)。 おもしろいものだなあ。

2011/07/30(Sat)

名古屋セキュリティ勉強会

第1回勉強会 ということで参加してみたが,すごい人数。定員140というけどいっぱいなのかな。 欠席もかなり少ないということだし。 で,それでも全員自己紹介をするとは! そして,プリンに惹かれてきた参加者がこれほどいるとは!

話の内容については,どこまでオフレコだったか思い出せないのでここには書かない。 APT(Advanced Persistent Threat)攻撃の話があったわけだが, 確かに悪意をもってこれをやられたらどうしようもないわ。 某役所からのメールなんて,本文は「表題の件につきましては, 添付ファイルの通りですのでよろしくお願いします」みたいなのばかりだもんな。 それにしても,最近いろいろさぼってたな,ということを痛感…情報収集を外部に対しても, 内部に対しても。

至学館,甲子園へ

硬式野球の愛知県大会,私の勤務校は初戦で負けたのだが, ご近所の至学館が名電を破って優勝したとのこと。 数年前まで女子高だったというのに,こんな短期間でここまでやるとは。

やはりネットでは「校歌がJPOPすぎる」と話題になったようだ。 そして学校の Webサイト は落ちてるようだが… やはりDDoS(?)くらったということだろうか。 そして週末だから直してない,と。

2011/07/29(Fri)

愛知県の研究会?

新教育課程説明会(情報)に行ってきた。 大して目新しい話はでなかったのだが, 質疑の終わりの方で

定期的に研修を行なう計画はないのか という質問に対し 研究会組織を発足させることにした。ただし当面は情報のみで採用された者(40名程度)で始め,数年のうちに枠を拡大する予定 との返答があった。ああ,ひどい話だ。 もともとは県立市立私立をまとめた研究会が計画されていたと聞いているが, こんなわけのわからない話になってしまうとは。 この説明会には100人以上が参加していて, その多くが各学校の情報教育の主力だとは思うが, 同時にそのほとんどが兼坦なのでその「研究会」からは排除されている。 そんな意味のない会を作っておいて,堂々と「発足させる」と言える神経がわからない。

某氏が強く苦言を呈したが,私も一言いっておくべきだったかも知れない。 たとえば日本情報科教育学会からは東海支部を作るよう要請されているが, 愛知県がまとまらない状態では無理だろうと返答しているところなのだ。 その状況を彼らはわかっていないだろう。 そのために私や何人かの同業者が,県外に目を向けて勉強するしかない状況にあることも。

2011/07/24(Sun)

アナログTV放送停波

テレビ放送が地デジに完全移行ということで,今日アナログ放送は停波したらしい。 ネットでは12時の切り替わりの様子がどうだったとかいう話が聞かれる。 そういえば中波AMラジオ放送が10kHz間隔から9kHz間隔に移行したのも休日だったな (『ラジオの製作』という雑誌の特集記事に「本誌購読の方は特別に仕事や学校を 休んでよいことになりました」とあって,「ああ,それほどの大ごとなのか」と 納得しかけてしまったのを思い出す。実は勤労感謝の日だったのです)。 これはわざと休日を選んでいるということなのかな。