不定期戯言

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2012.06.14 (Thu)

行列

・高校の新課程に行列がないことについて,togetterにまとめが出ていたので読んでみた。ずっと前から決まっていたことをなぜ今頃騒いでるんだという気はするが(大学教員の中には今頃知った人もいるようで不勉強甚だしいが),それはそれとして。

・いろいろな視点があるのは当然なのだが,今まで自分たちが積み上げてきたものをどうするという話が多い。たとえば高校教員や予備校講師は,入試問題に対応するためにはどのような内容までを押さえておかなくてはいけないという目安を(わりと共通の認識として)持っていて,それを教えきることを考えている。大学の先生方は,自分の担当する分野を教えるための前提が教えられているかを気にしている。共通していえるのは,今までやってきたことへの加除で考えているということだ。

大学入試に対応する数学や物理は妙な制約に合わせて特異な進化をしてきた。たとえば行列にしても,2次の正方行列に特化した「技法」だらけだ。おそらく今までにも新しい問題は提示されてきたのだろうけど,そのたびにそれを包括する「技法」にまとめられてきたのだろう。そうなってしまった後は,単なるパターン演習だ。

・個人的には,一次変換を絡めずに行列を扱うんだったら,扱いをやめてしまってもいいと思ってる。

コメント(2)

tss wrote at 2012-06-16 21:58:

大学の線形代数でいいんじゃないしょかね。高校じゃ、おっしゃるように操作(技法)を覚えるだけの受験勉強にしかなっていないと思います。

わたやん wrote at 2012-06-27 23:03:

正直いって,私自身も「自分が習った(あるいは一番深く勉強した)」カリキュラムでの行列の扱いに囚われているのかもしれません。あれも技法だけで済ませることができたんだろうけど,私はそれなりに深く思考した。現行の数学での行列も同じように,一次変換を欠いた状況で同じように深い思考ができるのかもしれません。でも私は「欠いた」という言葉を使ってしまったことにも顕れているように,それを実現できていません。

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