『ロボットは東大に入れるか』(新井紀子著)は東京にいる間に読んだ。これがうまくいったらどうなるんだろう,とつい考えてしまう。いわゆる「知的労働」がコンピュータに取って代わられたとして,人間に残されるのはコンピュータが苦手な「犬・猫の区別」のような技能,学校で教えられる内容でない技能だけになってしまうのではないか。そうなると「学校」は何をすればいいんだろう。
いや,残るのはそれだけじゃない。何らかの問題解決は人間がやらざるを得ないのではないか。たとえば将棋における問題解決は「勝つ」ということだから,コンピュータ将棋はそれだけを目指せばいい。ルールの中で勝つ手を探すことはコンピュータにかなわないかもしれないけど,ルールをはみ出すことは人間に残された可能性と言えないだろうか。新しいルールが作れないために閉塞している場面は現状でもあちらこちらにある。そこまでコンピュータに面倒をみてもらうことにはならないと期待したい。
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