通りすがりの本屋
週末に東京に行ったときのこと。中途半端に時間ができたので本屋を探す。で,ついつい本を買ってしまう。どこの街に行っても,通りすがりの本屋と神社にはできるだけ入るようにしている。もちろん同じ本は名古屋に帰ってからでも買えるのである。どうせ現地では読めないのだから,書名だけ控えておいて,地元に帰ってから買えばいいというのは道理だ。しかし,本との出会いはけっこう一期一会なところがある。今の自分が反応する本に,明日の自分が反応するかどうかはわからない。そんなことは理詰めではわからなくて,本を読んだあとで理由がわかるものなのだ。最近でも特に11月あたりから買った本は,買うときにはわからなかったつながりがあるものが多い。そのような,自分が理屈でわかっていないつながりを見せてくれるということを,本屋さんはやってくれている。日曜に行った新宿の紀伊国屋の1階は売り場面積はそこそこ狭くて,目当ての本を探しに行くと空振りになりそうなところだ。でもあそこは本を並べることでストーリを作っているように感じられる。だからそのときの気持ちに合わなくて本を買わなかったとしても,そこの空気が楽しいのだ。
楽器屋さんに行って楽しい気持ちもそれと似てたのかもしれないな。展示してある楽器を鳴らしてみるわけじゃないし,楽譜もざっと拾い読みするくらいなのだけど,匂いのように立ち止まった音の風景を感じていたような気がする。
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