不定期戯言

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2007.06.09 (Sat)

大学入試と情報フォーラム2007

・というわけで東大へ。なにしろ東大に来るのは初めてなもので,赤門とか安田講堂を写真にとったり,兼宗先生がキャンパスで遭遇したドリトルの神様をお連れしたり皇太子一家が訪れたりしたという三四郎池でまったりしたり。昼食はVX氏と一緒に安田講堂地下の食堂で赤門ラーメン(大盛)をいただいてみたり。

・で,肝心のフォーラムだが,高校教員の参加が予想外に少ない(10人くらい?)のが残念。入試の強化は「情報」の地位向上につながると思うんだがなあ。センター試験にせよ個別試験にせよ,入試には政治的な判断がつきまとう。それが日程などの制約を受けて押されていくわけで…このまま立場弱いままだと教科としての存在さえどうにかなってしまいそうだ。天良氏からは,全国高等学校長協会が出した要望書がその筋では影響を及ぼしそうだという悲観的な話を聞かされたし…私自身はこの要望書は的外れであるし卑怯だとも思っているのだが,お偉がたはそうは思っていないらしい。あんまりにもがっくりきて,帰りに寄った聖橋でなんだか吸い込まれそうになっちまったよ,まったく。

・それはともかくとして,講演はまじめに拝聴。韓国もけっこう同じことで悩んでるというのは意外だった。アプリケーション操作だけでなく,原理についても勉強させたい,しかし教師がそれに対応しきれないなんて,どっちの国の話をしてるのかわからないじゃないか。それにしても韓国のICT教育運営指針は見事なものだ。ゲーム中毒のことが取り上げられているなど,時代に追随しようとする意思がはっきりでている。情報教育課程の内容も,中学段階である程度のプログラミングやアルゴリズムを習得させてしまうなど,十分に高度なものを目指しているように思われる。一方で,このカリキュラムでは現職の教師がついていけないとか,情報系科目の扱いが縮小されそうだとか,日本と同じ問題点も抱えている。

綿貫氏の学校では情報の専門科目を全部やっているという話を聞いて驚いた。入試はともかく,この専門科目のことが気になるなあ。建前としては私の免許でも専門科目を教えられなくてはいけないのだけど,私の知識や技能は偏ってるから。
全然話ができなかったので,とりあえず名刺を交換させていただいた。「わた」つながりということでよろしく。

入試ということについては,高校からは対応に困るだのいろいろ文句がでるだろうけど,大学側にはそれをあえてつっきって「こういう能力が欲しい」をアピールしてほしいと思う。もちろんそれがいい状況に向かうためには周辺環境の建てなおしが必要で…具体的な内容が書かれていない学習指導要領や,ぬるい研修で教員免許をばらまいたことについてさっさと反省して次の段階に向かってほしいものだと思う。パネルディスカッションでも,

「社会の要請」についての共通認識を作ることは,本当は可能なのではないか

という発言があった。前述の校長会のあれもそうだけど,将来の社会が求めているもの,子供たちに必要なものを考えようとしない状況にはもううんざりだ。

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2007.06.08 (Fri)

のしろさんの授業

・少し現実逃避時間ができたので,のしろさんがSOIで公開している授業を見た。といってもビデオは見られなかったのでスライドだけだが。

比較すると私のやっていることは非常にトップダウン的であり,先に用意した大分類の枠にしばられているところがあると感じた。原因として思い当たるのは,定期試験のことがずっと気になっているということだ。つまり,上記した大分類の縛りというのは従来教科のやり方であり,それをはずしてしまうと生徒が勉強しにくいのではないかということを気にしているのだ。その点,彼の示しているものはもっと柔軟だ。

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教育実習

・今年は情報科には二人の教育実習生が来ていたのだが,今日でおしまい。日誌の字がすごく汚いとか,声が十分に出てないとか,そんなわかりやすいこと以外にもいろんな面でまだまだなんだけど,情報についてちゃんと高等教育を受けた人たちが教壇に立ってほしいとは思っているので,頑張ってもらいたいところ。そう思うと,情報だけの免許では採用がない今の状況は辛いなあ。

・ふと思い出した。自分が教育実習をやったときに生徒に書いてもらったアンケートの一枚に

いいお嫁さんみつけてください。

と書いてあったのは,いったいなんだったんだろう。

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個人情報流出を苦に自殺

・Winnyで児童の個人情報を流出させた教員が自殺したというニュースがある。本人がWinnyの使用を認めているということで流出は自業自得なのだけど,自殺は解決ではないわな。小学校ということで子供との距離が近い分,悩んでしまったのかなあとか思ったりはするけど。

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2007.06.03 (Sun)

梅酒

・スーパーに梅の実が並んでいたので,漬けてみた。飲めるのは冬かな。

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あれこれ

・見事な予言です。

・前歯の入れ歯が壊れた。食事中に外れたのを噛んで壊してしまったようだ。明日にでも歯医者に行かなくては。

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2007.06.01 (Fri)

5月はだめだめだー

・という結果でした。

グラフ

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2007.05.29 (Tue)

非定型うつ

・帰ったらテレビで「たけしの本当は怖い家庭の医学」をやっていた。最初の話題が,ストレスからくる非定型うつなのだが,そこであげられていた症状が

  • 食欲が増す
  • よく眠れる
  • 手足が鉛のように重い
  • 好きな人と話すと症状がやわらぐ
  • 突然キレる
  • ベッドから起き上がれない
  • 無性に悲しくなる
  • イライラする

というものなのだが…あのー,全部あてはまるんですけど。休みの日は一日中寝てたりするし。昨日はどこぞの大臣が自殺なんかするもんだから,ひきずられて眠れなかったけど。

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「談合」か…

・ここんとこ「フューチャリスト宣言」(梅田望夫・茂木健一郎著,筑摩書房,ISBN 978-4-480-06361-8)と「脳の中の人生」(茂木健一郎著,中央公論新社,ISBN 4-12-150200-0)を読んでいる。これを読んでようやく,茂木氏が「アハ」の人であり「プロフェッショナル/仕事の流儀」の司会であるということに気がついた。梅田氏と茂木氏のポジティブさには恐れ入った。特に,茂木氏はすごくラジカルだ。「偶有性の受容」は重要なキーワードだと思う。

・面白かったのは,日本の入試は談合だという話。試験範囲をがっちり決めてしまってそこから逸脱することは一切許さない,人工的な競争・競技だというのだ。笑ってしまうほど同感だ。なぜ笑ってしまうかというと,私自身がその「競技」をうまくやれるよう努力してきたし,それを指導してきたから。しかし今「情報」の授業を担当するようになってそれが変わってきた。なぜなら「情報」にはまだ競技とよべるだけのルールができていないからだ。その中で少しでもいいものを生徒に与えたいし,そもそも何が「いい」なのかについても考えている。そういったことで悩むことが,今の自分には非常に楽しい。

また,学歴が自慢になるのはそれを手にする者が少ないからであり,その希少価値は大学の物理的リソースの制限に起因する。しかしそれに相当する知的スキルを誰もが入手できるようになったら,学歴は自慢にならなくなる。そのときアピールできるのは「自分は何を学んだ」「何に所属している」ではなく,「自分は何をした」「これから何をする」だと。実は昨日ある研究会で愛知教育大学の江島徹郎准教授に講演をしていただいたのだが,そこで江島氏が語ったバーチャル大学やe-ラーニングの話ともつながっているのだった。

科学の醍醐味は「わからないこと」にあるはずなのに,学校もテレビも「わかったこと」を「わかりやすく」伝える努力ばかりをしている。実はそのことが子供の好奇心を削いでしまって「理科離れ」につながっているのではないかとの指摘にもなるほどと思う。

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2007.05.24 (Thu)

デジタルプア

・辰己先生の研究雑報で,今週のAERAの記事「携帯オンリー デジタルプアの壁」の話題があったので,買って読んでみた。表紙はアンジェラ・アキ。AERAって,電車の中吊り広告のダジャレしか目に入ってなかったからなあ。

・さっきテレビで,マックやネットカフェに寝泊まりして日雇い派遣で食いつないでいる若者の特集をしていた。週払いに切り替えてまとまった金額を受け取れるようにしたいのはやまやまだが,その間の食い扶持をつなぐ費用が捻出できないという。AERAの記事にも,パソコンが使えれなければ時給の安い仕事を受けざるを得ない,かといってパソコンを買って勉強しようとしてもその資金がない,そんな風に携帯日雇いスパイラルから抜け出せないという状況が書かれている。発展途上国の子供にありがちなこのスパイラル(学校に行かせた方がいい仕事に就けることはわかっていても,目先の労働力として使わざるを得ない)が,この国の青年にも起きているというのだ。

・ふと,内田樹の「下流指向」に

文化資本は統計的には正規分布してないんですから,下の方の階層の人は文化資本が豊かに備わっている日本人が存在するということ自体を知らない

から,文化資本の階層は拡大する一方だと述べられていたのを思い出した。「上流」を知らない「下流」には,文化を得るためのモチベーションさえ得る機会がないというのだ。

いくら携帯が進化したとしても,携帯でできることとパソコンでできることが同じレベルになるとは思えない。情報を有機的に処理して生み出すという点では後者に多くの利があると私は考えている。その「利」を知らないまま育った者にとっては,パソコンが携帯電話以下の存在にしか見えなくても仕方ないのかもしれないが,それが自分を「下流」に固定してしまうことにつながる危険性を知る機会くらいはあっていいと思う。高校の教科「情報」の中で,その助けができればいいのだが。

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