岡潔先生
文庫で「春宵十話」(岡潔著,光文社文庫,ISBN 4-334-74146-0)が出ていたので,時間を探してぼつぼつ読んでいる。あと20ページほど残っているのだが,読んでいて気持ちがいい。前に「情緒と創造」(岡潔著,講談社,ISBN 4-06-211173-X)を読んだときにわからなかった情緒というものが少しだけ腹に落ちた気がする。最近,学校の未履修問題絡みで教育や子供について考えることが多かったのだが,この本に書かれている精神の落ち着きも見直さないといけないような気がしてきた。たとえば「好きな芸術家」という文章の中で漱石の自分の小説は少なくとも諸君の家庭に悪趣味を持ちこむことだけはしない
というセリフを引いているのだが,そう言われて自分の生活を見回してみると,なんと雑音の多いことか。
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