不定期戯言

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2011.10.02 (Sun)

問いをつくるスパイラル

・12ヶ月点検の待ち時間に『問いをつくるスパイラル』(日本図書館協会図書館利用教育委員会図書館利用教育ハンドブック学校図書館(高等学校)版作業部会編著)を読み終えた。先月上旬にFacebookで紹介されてそのままにしてあったのだった。

・これはいい。いつか「『調べ学習』なんて言うけど,ぐぐって引っかかったページをコピペしたレポートやプレゼンを作らせるなんてのじゃ『見つけ学習』だろ。そんなの時間の無駄だ」と話したことがある(たしか「見つけ学習」という言葉は@tom_haseさんに教えてもらったと思う)。「調べ」というからには考える行為が入ってこなくてはいけない。そのための方法,考えないコピペで終われない方法が,この本ではワークとして具体的に書かれている。調べるのは「自分からの疑問」があるからであって,「誰かからの質問」があるからじゃないんよね。そこを見失わなければ,調べる場所がネットであっても大丈夫だと思う。なんとか実践に持っていきたいなあ。

・ついアマゾンでレビューを書いてしまいそうになったけど,レビューとなるときちんと説明もしなくちゃいけないから面倒なのでパス。

コメント(2)

だきわ wrote at 2011-10-04 10:14:

僕も読もうとしているけど,今「見つけ学習」させている身としては耳が痛い話です。
何とか実践していきたいなあ。

わたやん wrote at 2011-10-09 18:59:

考えない学習活動をなんとか蹴散らしたいなあと思うのですが,なかなか。考えないと楽だもんねぇ。

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違法ダウンロード刑事罰化あたりの話

・@tsuda氏が必読だというので「MIAUシンポジウム『違法ダウンロード刑事罰化を考える』で考える」という記事を読んでみる。

・そうか,まだ違法化のことを知らない人も多いのか。でも実際そんなものなんだろうな。自分で調べたり勉強したりしたことのない人は「チョサッケン」といわれても「勝手にコピーしちゃいけないよねー。でもけっこうやってるよねー」くらいに漠然と思ってるんじゃないかな。私的使用のための複製としてOKになっているのはどういうケースかとか知らないとしたら,「コピーは何でも悪」くらい思ってても仕方ないし,そうなるとiPodにCDから曲を入れるのも「バレないからセーフなだけ」に見えたりなんかして,それが実際に違法なコピーと区別がつかないなんてことも普通にありそうな気がする。ましてやダウンロードとアップロードの区別もついているかどうか。

脱線したので戻す。その状態で刑事罰を加えても,抑止力になるのかな。誰かが罰を受けてそれが報道されて,ということがないと人に伝わらないし,その罰の理由までがきちんと伝わるわけじゃないから変わりないと思うんだが。もちろんそうやって「ヤバイこと」がぼんやりと広がることを狙ってるのかも知れないけど,音楽や映画,ゲームや本への欲求自体が減少することにはならないのかな。上の記事でも,恣意的な運用がなされることによる萎縮を心配している(個人の特定も難しいし)。金がかからないからコピーするという人もあるけど,便利だからコピーしてるだけで金を払う手段があればそうするという人だっている。そういう人に便利な手段を提供することの方が発展的だと思うのだけど。そっちの方を頑張ってくれないと,業界がジリ貧になるんじゃないのかな。なんか,人がいなくなって寂れた街に警備員だけがずらっと並んで立ってるみたいな情景が浮かんでしまう。

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