待ち時間の間に少しだけ読み進めたのだが,面白い記述に出会った。
ほどなく彼はこうしたインスタント知識の小板のこぢんまりしたライブラリーを持つようになった。一枚一枚にカレッジの学位ひとつ分に相当する教材がそっくり収まっている。その一枚をブレインボックスにさしこみ,彼に具合のいい速度と濃度に合わせると,光がきらめき,あとは意識がなくなり,その状態が一時間ほどつづく。目覚めたときには,もう心の中に新しい領域が開かれているのだ。といっても,当の知識を探すと,それがあることがわかるだけなのだが…。アーサー・C・クラーク著『3001年終局への旅』第10章「イカロス賛歌」
31世紀の技術をもってしても,蓄えた知識を組み合わせて新しい発想を生み出すことは自動化されていないというのだ。発想法はやはり人間が頭を使ってやるしかないのだろう。
他にも,狂牛病をネタにしてる記述があってびっくりした。これって1996年の作品なのに。
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