入試のためのおべんきょ
7日に書いた話につながるのだけど,「欲ばり過ぎるニッポンの教育」(苅谷剛彦・増田ユリヤ著,講談社,ISBN 4-06-149866-5)では,「お受験」のための幼児教室の様子を説明した後で
お受験で人気の私立小学校の先生に話を聞くと,「困るんですよね。一年生に入ってきたときに,幼児教室で同じように教育されちゃってるから,型にはまっていて。とにかくほぐすのに一年かかります」と言っていました。
と書いている。たぶん同じようなことはあちこちにあって,大学は高校に,高校は中学に,同じ思いを持っているんじゃないのかな。入試のための勉強が入試のためにしか役に立たなくて,その先のことを教えるときにかえって有害になることさえあるという…高校の数学は暗記科目だと言い切る人もいるくらいだからね。だったら入試問題を工夫して上手に選抜すればいいというのは正論なのだけど,一部の学校だけがそれをやると受験生に嫌われてしまう罠。受験生的には,いわゆる「受験勉強」で対応できる入試を出題する学校を選んだ方が,つぶしがきく分だけ有利なのだし。
7日に書いた「関係ない」話に関係して。さっき長女が
ねーねー。中学の数学って高校で習うこと使ったら簡単に解けることをわざわざ難しくやってるんじゃない?
と言いにきた。上の学校で習ったことを使えば簡単に解けるのは当然なのだけど,だったらどうしてそれを教えないのか,そうずれば簡単な説明にできるはずなのに,道具が少ない分だけかえって難しくなっているんじゃないかという話。自分が高校生だった頃も,どうして物理で微積を使わないのかともどかしかった。私が教わった先生は万有引力の位置エネルギーを積分で説明してて,それはさすがに全員が理解できるとは思わなかったけど(問題を解くだけなら公式を丸暗記すればいいだけだったし),等速円運動関係の公式なんかは微分でわからない人が教科書の説明(微小時間で考えると云々)でわかるようには思えなかった。
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