読みの整理学
「思考の整理学」に続いて「読みの整理学」(ともに外山滋比古著,筑摩書房)を読み終えた。最初に出てきたテーマを何度も使っておもしろく読まされてしまった。アルファ読み,ベータ読みという考え方については,私自身苦い思いがある。たとえば英語の文章にはベータ読みされるべきものが多々あるわけだが,それをずっとアルファに近いところで読もうと努力してきたのだ。特に高校までの英語のテキストならそれで十分対応できてしまうので,そのために自分は英語が得意だと勘違いしてしまっていた。
しかし同時に,つねづね思ってきた「私の理解の遅さ」についても納得することができた気がする。今まで未知の分野について素読に近い読みを繰り返して「ああ,効率が悪いなあ,俺」と嘆いてばかりいたのだが,それはベータ読みなのだから時間がかかって当然なのであり,実行して結果が得られていればそれで十分なのだと。
帰り道に「サ・イラ」を聴きながら思った。洋楽を聴くのって,けっこうベータ読みっぽいんじゃないかなあ。
本屋に「本は10冊同時に読め」という文庫が出ていたので少し立ち読みした。3色ボールペンに対する批判は少し的をはずしている感はあるが,その主張したいところはわからないでもないのでこだわらない。数ページしか読んでいないので間違っている可能性は高いが,何冊もの本を同時並行で読むことによってそれらが頭の中で反応を起こすことを期待しているという感じだろうか。その考え方はすごくわかるのだ。たとえば同書と3色ボールペンの本と「読みの整理学」はわりと近い時期に読んでいるので,その主張を見比べることができる状態にある。それらを実行・比較しながら自分のスタイルを作っていけばいいのだろう。
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