日本語ヴィジュアル系
大学の一斉購入で『理科系の作文技術』を買わされたと娘が憤慨していた。とっくの昔に持ってるっちゅーねん,と。
『日本語ヴィジュアル系』(秋月高太郎著,角川書店)はずいぶん前に読んでほったらかしにしてあった。こういうのを見てると,自分の世代は古いのも新しいのも目にすることができておもしろいんじゃないかな,って思う。もちろん私は当用漢字・常用漢字の世代だから,知ってるつもりでも知らないことが多いんだろうけどね。それはともかく,自分が意外な程にマンガ的表現に影響されてることには驚いた。確かに今の私は原稿用紙には馴染まない表現とか,小学校の作文でやったら苦い顔をされそうな表現とか,平気で使ってるもんなあ。そのくせ文法については保守的だ…中途半端なのだな。
特に面白いと思ったのは句読点に関する考察。
文末は,マルが打たれる場所以上の意味をもってしまっているのです。つまり,文末は,書き手の態度を表す記号や文字が入る場所として認識されているのです。
句読点はもともと区切り記号であって文字ではない。読みやすくするための補助記号だ(賞状などには句読点を使わない)。だからメールやブログ,ケータイ小説などのように改行で文末を表現できる媒体では旧来のテンマルは不要であり,そこに絵文字や顔文字が入るのは表現の幅を広げるというプラス要因しかない。メールに絵文字が多用されるのは文章表現の未熟によるものと考えてしまっていたが,それは新しい表現を認めない偏狭さかもしれないということか。
娘がケータイを使い始めた頃,「ちゃんと絵文字を使いなさい」と友達から指導を受けたという。パソコンメールから入った彼女にとっては,絵文字を使う理由が理解できなかったのかもしれない。
ほった wrote at 2009-05-04 11:26:
わたやん wrote at 2009-05-04 22:17:
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