NHK週刊こどもニュースのお父さんが書いた『わかりやすく<伝える>技術』(池上彰著,講談社現代新書)を読む。後半で何か読んだ話が出てくるな,と思ったら,去年読んだ『伝える力』(池上彰著,PHPビジネス新書)とカブってるのだった。テーマが似てるから当然か。後者の方が具体的な話を多く含む分,いくらか俗っぽいかな。
テーマにそった部分は普通に参考になったのでそれはおいとくことにする。いつだったか芸能人相手にニュースでよく話題になる事柄の解説を池上氏がするテレビ番組をやっていて,あいかわらずのわかりやすさに関心させられた。出演していた芸能人は「こんなことも知らないのか」と見えるようなリアクションをしていた…もちろんそれは演出なのだろうけど,でもニュースを流して聞いているといろんな言葉や仕組みをわかったつもりでいい加減な解釈で受け入れてしまうことは確かに多い。この本は送り手としてのわかりやすさを説くものではあるけれど,逆に言えばそのようにわかりやすい情報発信が常には行なわれていないという主張でもあって,だったら受け手は何を補いながら情報収集をするべきなのかというとらえ方もできるように思われた。
ただし,世界各国に駐在するスパイ諸氏も,情報源の98パーセントは(95パーセントかもしれないし99パーセントかもしれませんが),その国の公開情報なんだそうです。『わかりやすく<伝える>技術』212ページ
いかに自分が貧弱な受け手であるか,ということだ。ある意味,情報は平等に与えられていて,それを分析・理解・加工できることが各人の能力なのだろう。そして「統計」はそのための力になりうるものだと思う。
tss wrote at 2010-01-12 07:42:
わたやん wrote at 2010-01-12 20:49:
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