不定期戯言

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2010.09.28 (Tue)

数は生きている

・小学生のときに読んだ本なのだけど,ふと読みたくなってアマゾンで中古を買った。『数は生きている』(銀林浩・榊忠男著,岩波科学の本)。あらためて読んでみるとすごい本だ。本気が伝わってくる。書かれていることのうち,当時は理解できてなかった内容も多いのだけど,いくつかの内容はそれ以来頭に残っている。コラッツの予想もこの本で知ったし,「論点先取の誤り」という言葉や虚数という考え方があることも知った。そういう先取り的な話ばかりでなく,考え方にも大きい影響を与えてくれた。たとえば前半の目玉の一つである「分数の割り算はなぜひっくり返してかけるのか」の説明を読んで,こんな風に順を追って説明されたら納得せざるを得ないものなのだということだとか。この本は今の私を作った本の中の一冊なのだと,はっきりわかる。

・こんなことも書いてあったのだけど,これは覚えてなかった:

  • 自然数に0を含めない考え方がある(というか数学者ではそっちが普通)
  • 矛盾した体系からは何でも証明できる

コメント(3)

わたやん wrote at 2010-09-29 10:41:

「覚えてなかった」というのは,この本に書かれていた,ということを覚えていなかったということです。

だきわ wrote at 2010-09-29 13:08:

自然数は0を含めるのが普通だと思ってた。
含めないのが普通なの?

わたやん wrote at 2010-09-29 13:37:

高校では含めないのが普通でしょう。私自身は0を含める方が自然に思えるのですが,授業ではその点を高校用に補正します。

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2010.07.28 (Wed)

ScanSnap

・ScanSnapも届いたのでさっそく自炊。とはいっても最初は具合を確認することから。いろいろぐぐって設定値を確認したり,ChainLPというツールを知ったり。ChainLPなしでも読めるPDFになってるかな,とは思ったのだけど,ページによっては(特に新書のような縦長)下が切れることがあるようだ。そんなわけで数冊を自炊。字が小さいのが不満ではあるが,きちっと裁断したりトリミングしたりするのは大変だからこれでよしとするか。明日は文庫本も試してみよう。

・そういえばKindleは2.5.6になっていた。

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2010.07.26 (Mon)

Kindle 2

・Kindle 2が届いた。早めに帰宅して開封。とりあえず充電しながらヘルプとか読む。既に名前とか登録されているというのがなんだか面白い。早速ファームウェアを2.5.2にアップデート(手動)。その間に青空キンドルでいくつかの作品をPDF化しておいた。実際読み込んでみると,特にストレスなく読める。問題はスキャナで取り込む分がどのくらい読めるかだな。明日あたりScanSnapが届くだろうから,適当な本で試してみたい。

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2010.07.11 (Sun)

美文書作成入門

・第5版が週末に届いた。最近のは新しい章を拾い読みしてばかりだったので,今度のは頭から通して読んでみたら…知らなかったことがいくつか見受けられた。お目当てはBeamerなどプレゼンのところと,あとはWindows用のインストーラということだったのだが,知らないうちにいろいろ変わってるものなんだなあ。勢い余ってptetex3からptexliveに乗り換えてみた。ソースからのインストールはしたくなかったのだけど,debパッケージが用意されていたのでつい。インストールしてみたらあっけなく何の問題もなく作業できる。これは嬉しい。

・さっそくBeamerでスライドを作り始めてみる。おお,思ったよりかっこいい。もっと無骨なものだと想像していたので意外だった。来週某所で使う資料はこれにしよう。

・アマゾンでこの本を探すと「この商品を買った人はこの商品も…」の筆頭にUbuntu Magazine vol.04が出てくる。表紙がまいんちゃんということで話題になったアレだ。これについては,読者だけでなく著者の奥村先生も買ったということなので,ある意味しかたない。

コメント(4)

だきわ wrote at 2010-07-12 06:21:

まいんちゃんのガチャガチャがあるって知ってました?
買っちまいそうになりましたよ。

わたやん wrote at 2010-07-15 00:29:

実は動くまいんちゃんを見たことがないんです…。

7高生 wrote at 2010-07-15 18:02:

まいんちゃんは修学旅行の時にブームになりました。最近は存在を忘れられてます

わたやん wrote at 2010-07-23 10:48:

高校生がずっとまいんちゃんに夢中というのはどうかと思うので,いいんじゃないでしょうか。

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2010.04.30 (Fri)

これが週刊こどもニュースだ

・池上彰の「これが週間こどもニュースだ」を読んで一息。彼がお父さん役をやってたときも何度かこの番組を見たが,ニュースで話されているいろんなことの基本を自分が分かっていないということを思い知らされる恐ろしい番組だった。たとえば彼自身も出演者の中学生とこんなやりとりをしたという:

「小学校で,先生がみんなに差別はいけません,という話をしてくれなかったの?」
「してくれたよ」
「だったら,わかるでしょ」
「差別はいけないと言っていたけど,何のことかわからなかったの」

わからなかったと正直に言える機会があることは幸せだ。こういった問題は非常にデリケートで,具体的なことを教えることが差別行動のひきがねになることの懸念もある。しかし,表す言葉を知らないまま差別感情を持っていることの方が,自覚できないだけ危険だと私は思う。

・また,子供たちが自分で考える訓練をしていないことにも触れている。「君はこのことについてどう考えるんだ」と問いただすと,泣き出してしまう子もいたらしい。教えられたことをテストで再現することが「勉強」じゃないんだがなあ。普段の勉強で「どう思うか」を聞かれることはあるけど,その多くは「どう思うと答えることがこの場面では正しいとされるか考えよ」という意味だったりする。

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2010.04.26 (Mon)

神田神保町は恐ろしい町

・週末はドリトルミーティングと,マインドストーム本の輪読会ということで東京に行っていた。詳細なレポートは後で書くことにするが,ただ一つだけ,記憶が新しいうちに言っておきたいことがある。神田神保町は恐ろしい町だということだ。

・なぜあんなにも古本屋がたくさん軒を連ねているのか。時間がなくてぎりぎりで行動していたから3冊しか買わずに済んだのだけど,もっと早く会場に向かっていたらどんな惨事が待っていたかと思うと…次からは湯島聖堂で時間つぶすのやめようかな(ぉい)。

・ひょっとして,コミケで薄い本を買いまくる感覚はこれに通じるものなんだろうか。まだ行ったことがないのでよくわからないのだが,古本を眺めて吟味するときの高揚感といったら。

コメント(7)

argon wrote at 2010-04-26 20:37:

| '-') ふと我に返ると財布がすっからかんに!

たつみymous wrote at 2010-04-26 23:02:

じゃぁ、こんどは御茶ノ水も行きましょう。楽器店がウジャウジャありますよ。

わたやん wrote at 2010-04-27 00:01:

二人して…やっぱり東京は怖いところじゃ。

だきわ wrote at 2010-04-27 08:55:

昔神保町で有り金全部置いてきたことがあった。
でもちゃんと生きているから大丈夫(笑)。
東京は(場所を選べば)怖くないですよ。
一緒に行けたら鬼子母神でも行きましょう。

ほった wrote at 2010-04-27 10:37:

私の財布の中身じゃ買えないものばかりだから、怖くはないわい>神保町とお茶の水
行くこともままならないけど。

のぐー wrote at 2010-04-27 15:23:

東京に行くと毎回そのへん歩いて本には目もくれずに中古レコード屋を回ってますが何か?

わたやん wrote at 2010-05-01 09:25:

人それぞれですね。中古レコードはまず手元にあるものを取り込んでしまわないと。そろそろウォークマンがいっぱいになりそう。

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2010.03.27 (Sat)

ペーパーレスはOA化,IT化と切り離して

・スラッシュドット・ジャパンに「オフィスのペーパーレス化を阻むのは?」というストーリーが立っている。個人的には,オフィスがペーパーレスである必要は必ずしもないし(エコ的な視点はともかく),OA化やIT化が進んだら紙はいらなくなるなんてことはありえないと思う。だって,紙って便利なんだもん。実際,テンポラリ的な使い方なら紙がベストな道具である場面は非常に多い。要は紙があっても困らない状態を作れればいいということだろう(最近読んでいる野口悠紀雄の『超「超」整理法』にもそういう話がある)。テンポラリファイルは作業が終われば消去される,それと同じように作業が終わればテンポラリ紙を捨てていい状況を作ればいい。オフィスが紙に埋もれて困るというのは,捨てられなくて困るということだと私は考えている。

・それはそうと,まだ途中なので断定的なことは言えないが,同書は「Gmailかぶれ」の印象が否めない。かといって,Gmailの使い方で特に目新しいものがあるとは感じない。自分に備忘録的メールを送るなんてのは昔からある手段だし。「超」整理法の見直しという点で大事な示唆はいくつもあるが,やはりいくつもの点で意見を異にする。たとえば勉強の方法についてもある部分は納得できるのだけど,「正しさを判断する能力」を誰もが持っていると著者は思っていないだろうか。それは無茶な注文だと思うんだがなあ。

コメント(2)

のぐー wrote at 2010-03-27 15:19:

テンポラリに紙を使うなんて、そんなもったいない。
紙は永久保存版に使いましょう。

わたやん wrote at 2010-03-28 00:14:

そこは意見がわかれるところだと思います。ひょっとしたら短期テンポラリが紙で,長期テンポラリがPCで,永久保存が紙なのかもしれません。今日も某大学図書館で30年前の本をコピーしてきましたし。

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2010.02.20 (Sat)

日本人が知らない日本語(2)

・本屋で『日本人が知らない日本語(2)』(蛇蔵,海野凪子著)を見つけたのでさっそく買ってきた。前作よりずいぶん厚いぞ。それに外国人の生徒たちのフリーダム度が上がっている。ほんと,笑った。

コメント(7)

ほった wrote at 2010-02-21 16:14:

最近は他地域からの転入者が増え、地元の言葉が通じ難くなって来ています。
かといって、学校で習う「標準語」がと言うわけでもなく。
まだ日系人外国籍の人の日本語の方が意味が判るかも。

ちゃか wrote at 2010-02-21 21:14:

あ、おもしろそうですね。
これは読んでみたいです!

わたやん wrote at 2010-02-21 23:10:

>ほったさん
教育された言語である,というのが強みなんでしょうか<日系外国人の日本語
方言って教育されないですからね。このあたりだと「放課」で休み時間を表すのですが,最初は慣れませんでした。生徒達は小学校から10分放課とか普通に学校で使ってきてるので,そこにギャップが。「机をつる」は三重県でも使ってたけど「B紙」は知らなかった。

>ちゃかさん
笑えるって意味でもおもしろいんですが,日本語文法についてよく考えてるのが興味深いです。「ら抜き言葉」の文法的な必然性とか。歴史的なこともよく勉強していることが伺えます。教える立場になるとそういうことを考えてしまうのでしょうね。

だきわ wrote at 2010-02-22 15:03:

多分、
「B紙」は「模造紙」のことですよね。
「放課」は「休み時間」のことですよね。
「机をつる」は「机を運ぶ」のことですよね。

エセ関西人としては、
「マック」は「マクド」のことですよね。

かわ wrote at 2010-02-23 11:10:

B紙が方言だと知った時は、衝撃でした。

小学生の時から普通に使ってたのに。

わたやん wrote at 2010-02-23 18:26:

元三重県民なのでB紙は知らないのです。そりゃ確かに三重県に住んでた期間より名古屋に住んでる期間の方が長いのですが,子供の頃をすごしたのがあちらなので,言葉の基本は三重県です。

ほった wrote at 2010-02-24 09:15:

関西人だけどマクドもマックもあまり使わないねぇ。

放課もB紙も使わないねぇ。放課後なら使うけどね。
机もつらんし。

ほんの数キロ東の親父の地元では美濃弁の一部が使われるし、職場近くの母の里では限定的に京都弁使っているので、これらの地域で使うのなら聞き覚えがあるんだけどね。

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2010.02.12 (Fri)

まちまち

・ブックオフに『まちまち』(かがみふみを著)が2巻ともあったので買ってきた。『ちまちま』とは大小関係が逆なのね。相変わらずかわいいなあ,もう。

・この機会にTカードを作ろうとレジでお願いしたらブックオフのTポイントサービスは9月いっぱいで終了すると言われた。あれま。そうなったらドトールとファミマしか使うところなくなるやん。まあそれでも使うから作ったけど。

コメント(3)

ちゃか wrote at 2010-02-13 00:33:

え、9月からブックオフでTポイントつかなくなるんですか。
けっこうブックオフは大きかったのに…残念です。
私は「大阪万博」読みたいです。ちょっと系統違うかな?

わたやん wrote at 2010-02-13 00:56:

私が行くブックオフはTSUTAYAと地続きなので,ポイントもずっとつながってるもんだと思ってました。2/10発表ということだからほんとにきまったばかりだったのね,というか,その前に作ってたら気がつかないままでいたかも。

「大阪万博」はちょっと気になります。アマゾンのレビューだと好き嫌いがはっきり分かれてるみたいですね(特に後半)。

わたやん wrote at 2010-02-16 18:46:

下の文字化けしてるトラックバックはEUC-JPなんよね。なんでだろ。ただの広告だから無視しといてもいいんだけどさ。

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2010.02.05 (Fri)

Twitter社会論(続き)

・Twitterの検索はGoogleのような重み付けを行なわず,単に時系列にそってヒットしたつぶやきを列挙するだけだ。野口悠紀雄の『超整理法』も分類を行なわず時系列で整理するという画期的なものであったが,これとつながるところがないだろうか。もっとも野口氏はデジタルを取り入れた『「超」超整理法』を書いているので,後日それと合わせた考察をしてみたい。

・「tsudaる」の語源となった著者がその行為についていくつかの注意点を述べているが,その中で「話の聞き方」に思うところがあった。私はtsudaったことはないが,講演などのときにはfreemindやiMindMapを使ってメモをとっている。道具は何でもかまわないのだが,この「話を聞いてメモをとる」というのは訓練していないとできないということだ。たとえば学校の生徒は授業中先生の話を聞いてノートをとっている…ならいいのだが,実は黒板のコピーに徹していることが多い。だから(今の三学期の授業がそうなのだが)既にテキストに書かれていることの掘り下げた説明をしても,それをどうやって記録していいのかわからず,手を動かせなくなってしまうようだ(その結果,眠ってしまう)。もっと言ってしまえば,板書していないものは記録する必要がない,板書されたことは意味が分からなくても記録する必要があると思っているようだ。これでは思考することはできんだろうと思うのだが。

脱線したので話を戻す。外山氏の本にあったように,日本人の話し方は△型になりやすい。これはしゃべる側としては楽なのだ…話しながら組み立てていくことができるから。ところが聞く側は簡単でない…いつ結論が話されるか予測できないからだ。だから話の筋を集中して追うことが要求される。生徒達にも,(twitterによらず)こういう訓練ができる場があればいいと思う。示されたシナリオ通りに話が進み,プリントの空欄を埋めていく作業をするだけでは身につかない能力だから。

・英国では初等教育にネットリテラシの授業を盛り込み,その中でツイッターやブログの適切な使い方を教えることが議論されているという。危ないものから遠ざけようとする日本のやり方とはくらぶべきもないが,なんといっても初等教育であるということが素晴らしい。中等教育では遅すぎる…それはネットに限らず,思考法,コミュニケーション法についても同様だ。少なくとも学校現場では戦後たいして進歩してないんじゃないのだろうか。ブレインストーミング,KJ法,マインドマップ…そういった取り組みが当たり前になっていないことがもどかしい。それを道具として使わせるためにはやはり小学校でないと手遅れじゃないのかな。

・最後の対談で勝間和代氏が「私たちIT人間からはtwitterの新しい使い方は生まれてこない」という発言をしている。この本には「キャズム」という言葉が何度か現れているが,メールやWebであったように新参者が「勝手な」使い方を始めて古参が苦言を呈するという情景がキャズム越えには必ずついてくるものではないか。私も彼ら同様IT人間だから無理だろう。

最近発表されたiPadの教育利用についてtwitterでも話されているようだが,その中で手で板書することの意味は何かという話があった。私の今までの感覚では,たとえば数式の計算をパソコン上ではできないからどうしても紙でないといけないことがあるということだったのだが,それは単にインタフェースの問題なのかもしれない。なぜなら筆や粘土板で思考が行なえていたのだから。もちろん紙になることで取り回しが容易になり,それが思考にも自由さを与えたと想像できる。だとしたらインタフェースさえなんとかなればiPad上でも数式を,ひょっとしたら紙よりも柔軟に,扱えるようになるかもしれない。ただ,オールドタイプである私はそれを発想できないだろう。どうしてもTeXのような一次元的な入力方法か,ワープロの数式エディタ的なものしか想像できないのだ。素直にデジタルネイティブに期待しよう。

コメント(2)

のぐー wrote at 2010-02-06 12:29:

>Twitterの検索は(略)単に時系列にそってヒットしたつぶやきを列挙するだけだ
いわゆる「作成日付」による整列ですよね(更新はたぶんしないし)
>野口悠紀雄の『超整理法』も分類を行なわず時系列で整理する
こっちは最終アクセス日付による整列なので、ずいぶん意味が違う気がする

わたやん wrote at 2010-02-06 13:04:

なるほど,2ちゃんねるでいう「age」があるのが特徴ですね。

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