高校で「情報」が実施されることで…
某大学から,大学での情報リテラシ教育のために高校の現状を知りたいということで調査依頼が来た。何に力点をおいているか
という問いがあったので
- パソコンの操作は手段であって目的ではないこと
- 普遍的な内容であること
- ほっておいたら生徒が触れずに過ぎてしまう部分(=今の大人がわかっていない部分)に重きを置く
と返答し,授業計画案を送っておいた。
先方からのメールには
高校で必修化された「情報」を履修した学生が入学してくる2006年度からは、上記のような格差は基本的には解消すると考えておりますが、高等学校の「情報」で扱われるカリキュラムにも格差があるということも承っております。
と書かれていたので,
これにより,私はむしろ格差は拡大するものと考えています。たとえば本校はパソコン操作にはまったく比重を置いておりませんし,コンピュータ室の環境もLinux+OpenOffice.orgですからMS方面のスキルを期待されてもまったく応えることはできません。情報A〜Cの内容に大きい差があり,それに加えて各学校の実践に大きい差があるのですから,その共通部分は小さいものだと考えざるを得ないでしょう。
さらに言えば,進学校の一部は情報の授業を何らかの形で受験科目に代替しようとしています(文科省的には認められないことですがそういう動きが現実にあることは否定できません)から,そういった学校の出身者は情報という授業をまともに受けていない可能性さえあります。
そういったことを考えると,高校で「情報」が実施されることで高卒者の情報リテラシ技術はレベル,方向ともに拡散すると予想しています。その状況下において,単純多数決的な多数派に合わせた対応になってしまうことは避けていただきたいと考えております。
と反論を述べておいた。
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