不定期戯言

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2007.01.09 (Tue)

Computer Science Unplugged

・辰己先生のブログにトラックバックしている情報科blogで紹介されていたComputer Science Unpluggedのビデオがおもしろかった(ネタが斬新ということではないのだけど,これをUnpluggedなところで子供たちにやらせるということ自体がいいなあと思った)ので,つい本を購入してしまった…といっても本で買うより安いし早いのでPDF版だが。

昨日自宅のプリンタで打ち出したのを,職場の紙折り機で半分に折って(2ページを1枚に打ち出したので),職場のパンチで穴をあけて…綴じようと思ったら,A5のバインダなんて持ってないことに気づく。そんなわけで製本はまた後日にして,電子辞書を片手にゆっくり読む。Introductionに

We have found that many important concepts can be taught without using a computer − in fact, sometimes the computer is just a distraction from learning.

とある。えーと,distraction は「気を散らすもの」か,なるほどなあ。情報教室での授業ではsometimesどころじゃないって気がすることもあるもんなあ。

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2007.01.05 (Fri)

「情報」必修は不適切?

・MSN毎日インタラクティブの記事

(茨城)県教委は単位不足問題が発生して以降,県内の全県立高校の校長にアンケートを実施。その結果,必修教科数が10あることについては半数近い45.9%が適切でないと回答。また「情報」を必修としていることについては61.4%が「適切でない」とするなど,現場から現行制度の矛盾を指摘する回答が得られたという。

とあったことが「辰己丈夫の研究雑報」「情報科作業日誌」や某同業者のmixi日記で話題になっている。

・小学校で英語教育を行なうことの是非についての議論でもよく言われることだが,有限のリソースしかないところに何かを追加すれば何かが削られるのは当然だ。情報も総合学習も小学校の英語も,やらないよりやった方がいいのは確かだろう。しかし問題は何を削ってそれをやるかだ。そういったことを十分に議論する前から「矛盾」とレッテルを貼って新しい教科を削り,古くからの教科だけに絞ってしまえば,変わり映えのしない安定を求めることはできるだろう。でもそのままじゃこの国はこの先どうなっていくんだろう。「『情報』を勉強しても生徒の進路に関係しない」という言葉を聞くたびに「日本の進路には関係しないのか」と言い返したくなる。だって,あまりにも近視眼に過ぎるじゃん。兼宗先生(一橋大学)のブログでは,PISA2003の結果について述べた後

・しかし,不思議と話題になっていませんが,同時に行われた情報機器の活用能力に関する調査「生徒は高度技術社会の準備ができているか?」(Are Students Ready for a Technology-Rich World? What PISA Studies Tell Us)では,15歳の生徒がコンピュータを利用する割合は,日本はOECDの加盟国中で最下位に近いレベルになっています。たとえば,「自宅で学校の勉強のためにコンピュータを使う生徒」は40%台で,40カ国中30位です。韓国やオーストラリアなどの上位10カ国が90%を超えていることに比べると,日本が極端に低いことがわかります。

さらに,「コンピュータをプログラミングのためによく使う」という割合は,米国で33%,OCED平均で23%ですが,日本はわずか3%と最下位になってしまっています。

この事実は,聴衆に大きな衝撃を与えたようです。後でご紹介するように,さまざまな国の参加者から「このままで日本は大丈夫なのか?」という意見や質問が出されました。

と言っている。日本でパソコンが普及したといっても,ユーザの多くは単なる消費者にすぎない。消費ばっかりしててどうするんよ。知的生産技術をやろうよ…。

・酔ってますか,私。

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2006.12.25 (Mon)

塾禁止ネタ

・教育再生会議の「規範意識・家族・地域教育再生分科会」で野依良治座長が塾禁止ととれる発言をしたという話題があちこちで取り上げられている。彼は単に例としてそれを言ったようにも取れるのだけど,座長という立場ではもう少し慎重であってほしいと思った。彼の時代や経歴を根拠にされても何の意味もないのだし,極論を言ったらその部分だけ取り上げて批判されることは予想できたであろうし。

・スラッシュドットの議論の中に

受験で入試点数重視→内申点重視にシフトしてきた頃から、学校って「勉強する場所」から「評価を受ける場所」になってきたんじゃないですかね。

という発言があった。これは思い当たることがたくさんあるなあ。能力よりも評価を手にいれたがってるみたいに思えることがよくある。そうやって「先生に丸をもらえればいい」が染みついていくんだな。

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2006.12.09 (Sat)

入試のためのおべんきょ

・7日に書いた話につながるのだけど,「欲ばり過ぎるニッポンの教育」(苅谷剛彦・増田ユリヤ著,講談社,ISBN 4-06-149866-5)では,「お受験」のための幼児教室の様子を説明した後で

お受験で人気の私立小学校の先生に話を聞くと,「困るんですよね。一年生に入ってきたときに,幼児教室で同じように教育されちゃってるから,型にはまっていて。とにかくほぐすのに一年かかります」と言っていました。

と書いている。たぶん同じようなことはあちこちにあって,大学は高校に,高校は中学に,同じ思いを持っているんじゃないのかな。入試のための勉強が入試のためにしか役に立たなくて,その先のことを教えるときにかえって有害になることさえあるという…高校の数学は暗記科目だと言い切る人もいるくらいだからね。だったら入試問題を工夫して上手に選抜すればいいというのは正論なのだけど,一部の学校だけがそれをやると受験生に嫌われてしまう罠。受験生的には,いわゆる「受験勉強」で対応できる入試を出題する学校を選んだ方が,つぶしがきく分だけ有利なのだし。

・7日に書いた「関係ない」話に関係して。さっき長女が

ねーねー。中学の数学って高校で習うこと使ったら簡単に解けることをわざわざ難しくやってるんじゃない?

と言いにきた。上の学校で習ったことを使えば簡単に解けるのは当然なのだけど,だったらどうしてそれを教えないのか,そうずれば簡単な説明にできるはずなのに,道具が少ない分だけかえって難しくなっているんじゃないかという話。自分が高校生だった頃も,どうして物理で微積を使わないのかともどかしかった。私が教わった先生は万有引力の位置エネルギーを積分で説明してて,それはさすがに全員が理解できるとは思わなかったけど(問題を解くだけなら公式を丸暗記すればいいだけだったし),等速円運動関係の公式なんかは微分でわからない人が教科書の説明(微小時間で考えると云々)でわかるようには思えなかった。

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2006.12.07 (Thu)

未履修とは関係なく

・高校入試では結果だけを問う問題がほとんどだから,中学を出たばかりの生徒は途中の計算を書く習慣がない者が多く,高校でそれを直させるのに苦労する。今さら座標軸の書き方(矢印書いて,xとyとOを書いて…)を教えなきゃいけないというのも萎える。これも入試に偏った指導のツケなんだろう。

・その話とは関係ないけど,数学も教える立場としては,英語のアルファベットの筆記体を復活させてほしい…。三角比の覚えかたを説明するのに,筆記体から説明するのは何かおかしい(生徒は面白がってるけど。右回り・左回りを「ひらがなの『み』『ひ』を書けばわかる」と教えるのも同様)。というか,英語と数学でアルファベットの書き方が違うことに違和感を持たないのかな?たとえば数学でaをブロック体で書く人は少ないと思うんだが。

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2006.12.05 (Tue)

私立学校は指導要領に縛られないのか?

・朝日新聞のインタビュー記事によると東京私立中学高等学校協会長がそう言ってるらしいんだが,私は学校関係の法律のどれが何を根拠にしてるのか理解していないので反論のしようがない。同氏によれば

学校教育法14条は、学校の授業や設備などで法令違反があった場合、都道府県教育委員会もしくは知事が変更を命じることができると定めている。ただ、私立については私立学校法5条で適用除外となっている。授業の根幹がカリキュラム。私立の自主性・独自性がここで法的にも守られている。

とのことなので,該当する条文を取り出してみる:

私立学校法第五条
私立学校には、学校教育法第十四条の規定は、適用しない。

学校教育法第十四条
大学及び高等専門学校以外の市町村の設置する学校については都道府県の教育委員会、大学及び高等専門学校以外の私立学校については都道府県知事は、当該学校が、設備、授業その他の事項について、法令の規定又は都道府県の教育委員会若しくは都道府県知事の定める規程に違反したときは、その変更を命ずることができる。

文面とおりに読めば,都道府県が違反行為の変更を命じることができないと言っているのであって,違反しても構わないとは言ってないように見えるのだけど…。そもそも法令の規定に違反していいのであれば何でもアリなのだから,そんな無茶な話はありえないだろう。だとすると

私立学校振興助成法第五条
国は、学校法人又は学校法人の設置する大学若しくは高等専門学校が次の各号の一に該当する場合には、その状況に応じ、前条第一項の規定により当該学校法人に交付する補助金を減額して交付することができる。
一  法令の規定、法令の規定に基づく所轄庁の処分又は寄附行為に違反している場合
(以下略)

を理由に補助金の減額をされても仕方ないと思うので,同氏の

私学振興助成法の目的をよく読んでほしい。私立学校の教育条件の維持向上、父母の経済的負担軽減、学校経営の健全性の三つが柱だ。理由のいかんを問わず、補助金を減らすことは教育環境を悪くすることになる。その結果、困るのは子どもたちだ。補助金カットには何があっても反対だ。今回の問題で子どもたちに不安を与えた上に、さらに負担をかけようというのか。私立が補助金をカットされるなら、公立の教育費も減らすのか。ばかげた考えをするべきではない。

には根拠がないように思われる。そりゃ補助金カットされちゃたまらないのはわかるけど,私立学校振興助成法第一条の学校教育における私立学校の果たす重要な役割にかんがみにある重要な役割というのが,公教育の一端を担うということであるなら,学校教育法施行規則で教育課程の基準と言われている学習指導要領をぶっちぎるのはどうかと思うのよ。

・以上,法律についてまったくの素人の発言なのでおてやわらかにつっこんでください。

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教員免許5年で更新?

・てな方向で教育再生会議が調整に入ったというニュースを見た。10年更新では

不適格教員を排除するには不十分だと判断した

とのことだが,5年更新ならそれができるとでも?その更新研修にどれだけのコストがかかるか(更新を行う側もそうだし,その間教員を拘束される学校現場も含めて)試算したんだろうか。また,

教育の質を高める

研修をいったい誰ができるんだろう。私たちは情報の免許をとるときに現職教員研修を受けたわけだが,あんなぬるい研修なら時間の無駄だ。いったい何をターゲットにするんだろう。

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2006.11.16 (Thu)

私学教育研修会

・昨日,一昨日は愛知県私学教育研修会の教育工学分科会の司会をしていた。あー,緊張した。

・某氏の講演に影響されて,「ニワトリを殺すな」(ケビン・D・ワン著,幻冬舎,ISBN 4344003144)と「経済成長神話からの脱却」(クライヴ・ハミルトン著,アスペクト,ISBN 4757210809)をamazonに注文した。「ニワトリ…」は新品が手に入らないのでマーケットプレイスだが。

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高校教科「情報」未履修問題とわが国の将来に対する影響および対策

・情報処理学会から表題の件に関する提言が出された。こういったものは,読むべき立場の人が読んでくれなかったりすることが多いのだが…。ITpro Enterprise

ソフトウェア開発に代表される情報技術面で今日でも欧米のみならず中国・韓国・インドなどにも遅れを取りつつあるわが国が「情報後進国」に転落してしまいかねないことをおそれる。

を引用して,現状が継続されてしまうことを危惧している。

・今の状態の私が情報の未履修状況を批判しても,入試科目にほとんど関わらない者の綺麗事ととらえられかねない。それでも,何もかもが近視眼的にしか扱われていない現状には文句を言いたい。ていうか,言ってますが。

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2006.11.08 (Wed)

授業崩壊に対する小学生の意見

・まほぱぱさんの「魔法使いな日々」より。あのー,ゆうちゃんって何年生でしたっけ。まあ年齢はともかくとして,このセリフを言えるのはすごいと思う。

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