脱・解答読解
8/21に青山学院大学で行なわれた「高校数学・新課程勉強会2011」に参加してきた。最初の長尾視学官の話にあったように,指導要領改訂というと単元がどうなったというところばかりに目が行きがちだが,改訂のねらいが何であるのかはそこには現れてこない。そのねらいを読み取らないと,今まで通りの教育を,ただ単元の入れ替えだけをして続けるだけになってしまう。数学というのは「自分で勉強すること」や「答えの正しさを自分で判断すること」が最もやりやすい教科のはずなのだが,そういう風に生徒が育っていないのが現状。その現状について,会の首謀者である大渕氏が書いた文章「脱・解答読解」と同じ主張を私も持っている(というか,私が今まで考えていたものの文章化していなかったことをこのような形で明文化しているのを見て,感心すると同時に自信をもった)。身につけるべきものは問題と解答の「間」にあるのに,それを見ずに解答ばかりを解釈しようとするから,何の力もつかずにただテンプレートを暗記するだけになってしまう。そんな風に勉強という行為を勘違いしてる生徒は,決して少なくない。問題を「解いて」もいないのに何が「勉強」だ!その点を何とかしていければいいのだがなあ,とつくづく思った。
SSS2011を終えて夜行バス11時間というきついスケジュールでの移動だったが,本当に来た甲斐があった。
(追記)和田秀樹の「数学は暗記」というフレーズは多く誤解されているように思われる。実は「脱・解答読解」の第8回に書かれている
- 基本事項の理解
- 典型的な問題のinput
- 考えて解ききる訓練
とまったく同じことを言っているのだが(その本自体は読んでないが,同作者の別の本で明確にそう主張している)。
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