不定期戯言

戻る

« | 2025 | Jan Feb Mar Apr May Jun Jul Aug Sep Oct Nov Dec | »

古いページ 新しいページ

2011.12.25 (Sun)

情報学教育推進コンファレンス

・23日のことだが,直後は疲れがどっと出ててそれどころじゃなかったので今頃になって書く。上の方ではいろいろな話もなされていたのだろうとは思うが,公開会議では時間もなくてほとんど言いっぱなしで終わった(というか,時間ぶっちぎって自説を話しまくる人が多くてすっかり気持ちが萎えたのだが)。とはいえ今回は発足したということが第一なので,今後いろいろとぶつけあってくれることに期待したい。

・現場では発言するほど考えがまとまってはいなかったので,ここで自分の考えを書いておく。いつも言ってることだけど,情報とコンピュータは一度切り離さなくてはいけない。70年頃の日本は情報学の先進国であったのではないか。そして今の時代になって,情報を扱おうとすれば,情報カードや付箋紙だけでなくコンピュータが必要になってくる…コンピュータと情報の関わりはただそれだけのことだろう。

そして情報を生み出すために必要なことは何か…そう考えると,ワープロやプレゼンソフトは新しい情報を生み出してはくれない(もちろん表現が大事な要素であることは否定しない)。そのための道具として私は統計やプログラミングを用いてきたし,情報カードやマインドマップなしでは作れなかった情報がたくさんある。それを次の世代に伝えたい,私が30代になってようやく気づいたことを10代の若者に伝えたら,次の世代は私たちを間違いなく越えていける。私の役目はそういうことなんだと思う。

・懇親会や二次会でいろいろ深い話ができた(情報処理学会度が高かったけど)。VISCUITの原田さんと話せたのは嬉しかったな。

コメント(1)

だきわ wrote at 2011-12-26 08:26:

先日のBEATセミナーでも情報科にはわたやんのいう「情報」と「コンピュータ」の2つ存在してるんだなあというのを感じましたね。NIERの有元先生がいう現実に小中高で実施されている国語で足りてない所が実は「情報」、情報処理学会が情報科に求めているのが「コンピュータ」って分類に僕の頭ではなってる。

コメントの受付は終了しました。

2011.12.21 (Wed)

プログラムを作らせる授業を終えて

・2学期はずっとプログラムを作らせる授業ばかりやってきて,当然期末テストもそういう問題だった。テスト返しのときにこういう話をした:

3ヶ月間ずっと授業ではプログラムを作る実習をやってきた。やってみたら,こういうのが性に合ってるという人もいただろうし,合わなかった人もいただろう。それは必ずしも能力の有無ということではない。やってみた感触を元に,今後のコンピュータとの付き合い方を考えてくれればいい。

たとえば私がiPhoneじゃなくてAndroidのケータイを使っているのは,プログラム作成環境がすぐに手に入るからだ。でもそれは私の選択基準であって,他の人は他の選択基準を持つだろう。実際に展示機をさわってみると確かにiPhoneはよくできているという実感もあるので,そういったことを基準にiPhoneを選ぶ人も当然いる。自分のやりたいことを,プログラムを作ることで実現してもいいし,誰かの作ったプログラムをうまく使うことで実現してもいいのだ。どちらが上とか下ということではない。大事なのは自分には何ができるかということであって,そのためには自分に合った方法が何であるかを知ってないといけない。だから,プログラミングを体験として君たちにやってもらった。

そういえば私が今までに持ったコンピュータ的なもので,自分でプログラム作れなかったものってPHS・ガラケーとワープロ専用機とザウルスくらいか。中3のときに買ったプログラム電卓ではいくつもプログラム作ったし,就職2年めにパソコン買ったらすぐに開発環境も揃えてたもんな。

コメント(4)

たつみ wrote at 2011-12-21 13:09:

僕は自分の車のエンジンのプログラムとか書きなおしてみたいです。

わたやん wrote at 2011-12-21 17:12:

ほんと,手元にあるソフトウェアって「ちょこっとだけ直したい」ものが多すぎていらいらすることがあります。

たろ wrote at 2011-12-22 02:16:

話をした後の生徒達の反応が気になります。
考えてみれば全教科、合う合わないがあるんですよね。
でもその上で、成績を取っていかないと上に上がれないわけで・・・
難しいです。

わたやん wrote at 2012-01-18 00:29:

生徒からの反応は特にないです。まあそれぞれに何かを思ってくれたら過分な喜びではあるのですが。

コメントの受付は終了しました。

2011.12.02 (Fri)

ジャンケンのプログラム

・授業でジャンケンのプログラムを作らせている。グー,チョキ,パーを0,1,2で表すことにして,勝ち負けの判定条件が(x-y+1)%3=0と書けることを紹介したりもしているわけだが…どうして+1してるかというと,負の数に%を施したときの振る舞いに自信がないから。Cではこのあたり処理系依存だろうし,Javaでは確か決まっていたと思うんだけど…そんな細かい話は授業でしたくない。もちろんPENのサンプルプログラムにあるように(x+1)%3=yとしてしまえばそんな問題は起きないのだけど,授業の中では「勝負を決めるのは手の違い」→「手の差を考える」→「x-yの値」という流れで話をしているので,それはそれでいいだろう。

・処理系依存といえば,MS-DOS時代にずっと使っていたLSI C-86試食版はcharがunsignedだったので,すっかりそれが手癖になってしまって他のコンパイラにコードを持ち込むときに苦労した覚えがある。

コメント(0)

コメントの受付は終了しました。

2011.11.06 (Sun)

ドリトルとarduino

・amazonで注文していたarduino UNOが届いたので,さっそくドリトルで遊ぶ。ああ,最初にドリトルと通信するためのプログラムを転送しなくちゃいけないのね。arduino IDEをダウンロードしてみたが,Verifyしようとするとうまくいかない。少し悩んだが,実はDebianのarduinoパッケージを使ってやれば,なんの問題もないのだった。

・ついでにドリトルのdebianパッケージの起動スクリプトが間違っていたのを修正。

・とりあえずLEDをパカパカさせてみたり,CDSでカメを回してみたり,3軸加速度センサでカメを操ってみたり,というようなドリトル本(第2版)にあるプログラムを試してみた。正直いって,こんな簡単でいいの?という感じ。ただポート指定して読み書きするだけやん,みたいな。これだったら中学の技術科に提案できそうな気がする。まずは明日,情報教室で動作確認して,その結果次第かな。

・ただ,最初の

システム ! "arduino" 使う。

はarduino.iniのある場所を指定しないといけないから,私のdebianパッケージでは

システム ! "/usr/lib/dolittle/arduino" 使う。

にしないといけない。

コメント(4)

たろ wrote at 2011-11-06 21:13:

こちらでははじめまして。

体験学習に極めて命令の数が少ないドリトルをさせています。
なので1日で攻略されちゃいます。
来年は教材費取って、動かすおもちゃの組み立てから始めようかと思っています。

日数は1日減って助かったけど、まだネタ切れなんです。
先生は本当に何も考えていなくて投げっぱなしです。

かかる全費用請求してみようかな?

わたやん wrote at 2011-11-06 21:15:

きっと費用かかってることをわかってないんでしょうね,学校は。

1日で攻略しちゃう子供たちおそるべし。なのにどうして授業だと簡単なプログラムでもあんなに手間取るんだろう…まあ題材がつまらないということに尽きるような気はするのだけど。

じょに wrote at 2011-11-07 06:46:

A minute to learn, a life time to master. 簡単に入門できるけど,その奥深さが深遠なのは,Othlloや乗馬と同じだと思います。
ネタはなんぼでもあると思いますが…

わたやん wrote at 2011-11-13 19:39:

ネタはいくらでもあるとは思うんですが,それを準備することも実践することもたろさんが無償で背負っちゃってることの問題の方が気になっています。

コメントの受付は終了しました。

2011.10.29 (Sat)

ジョーシン2011秋

・うーむ,入試がおもしろいことになりそうだ。ここで書いてしまっていいかどうかわからないから,詳細は書かないけど,うまくいったらもう教科「情報」の学校内での位置づけは一変するだろう。

コメント(1)

だきわ wrote at 2011-10-31 06:18:

そーなのーっ!2日が楽しみだ。

コメントの受付は終了しました。

2011.10.26 (Wed)

PenFlowchart 1.1リリース

・今回の機能追加は,貼りつけたパーツのカット&ペースト,といっても1回ペーストすると記憶から消えるので,要するに移動ができるということ。これを実装するかどうかは迷ったのだけど…というのは,PENの操作を学ばせるという目的からは外れてしまうから。ただ,東京農工大の辰己先生が指導していた学生さんがこれを使ったときに,削除しかできないことの不満を漏らしていたと聞いた(先日のTeXユーザの集いで本人と話ができた)ので,そうか,純粋にプログラム作成環境とみたらそれはあっていい機能なのだな,と納得したので実装した次第。

・なぜコピー&ペーストがないか,1回ペーストしたら消えてしまうか,というと,オブジェクト群のクローンがめんどくさいから。必要だと思ったら作るかもしれないけど,とりあえず簡単にできるカット&ペーストだけまず用意したということ。

・IRCで話題にしたら,BAKさんが使った感想や意見をいろいろ教えてくれた。コピーの挙動を変更したのはそれを取り入れてのこと。しかし,最初に言ってくれたのが「カット&ペーストほしいね」だったのは興味深い。普通に使おうとするとやはりそれが必要になるということなんだなあ。

コメント(2)

たつみymous wrote at 2011-10-30 23:08:

ああ、線形論理的なんですね。

わたやん wrote at 2011-10-31 10:01:

なんというか,ペーストで消費される感じ?

コメントの受付は終了しました。

2011.10.19 (Wed)

PenFlowchart 1.0リリース

・グラフィック命令のサポートができたので,バージョンを1.0にした。サポートと言ってもPenFlowchartがやることはただ命令と引数を並べるだけのことで,あとの処理は全部PENがやってくれるわけだが。配布は例によってhttp://watayan.net/prog/にて。

コメント(3)

tss wrote at 2011-10-20 12:54:

1.0 おめでとうございます。

だきわ wrote at 2011-10-21 08:50:

めでたい。

わたやん wrote at 2011-10-22 13:09:

ありがとうございます。とりあえずやりたいことができるところまできたらさっさと1.0にするのがいい,というのは辰己先生の助言だったりします。

コメントの受付は終了しました。

2011.10.17 (Mon)

PenFlowchartを授業で使ってみて

・バージョン0.6はPENにコピーしなくてもそのまま実行できるということで,どちらを使ってもいいからということで課題を出させることにした。そうしたら…PenFlowchartで保存したファイルを送ってくる生徒が…それってXMLだぞ,キミら自分で読めないもの送ってくるんじゃないよ,と言いたかったが時間切れ。説明不足だったことは認めるが,でも,自分で読んでわけのわからないものでも提出してしまうというのはどうしたものやら。

コメント(1)

だきわ wrote at 2011-10-18 06:15:

よくあるよくある。

コメントの受付は終了しました。

2011.10.16 (Sun)

情報科教育と情報教育

・昨日今日は日本情報科教育学会の第4回全国大会ということで畿央大学におじゃましていた。詳しい話は疲れがとれてから書くとして,とりあえず最後のパネルの最後で盛り上がった話について。たとえば「方程式も微積も確率や統計も,全部理科で扱うから,数学は何もしなくていいよ」という話が通じるかというと,数学の人も理科の人もそれを認めないと思う。そんなことしたら,理科で使う使い方しかやらないだろうから,数学の考え方が身につかないよ,と。これが「情報科教育」と「情報教育」だったら通ってしまうかもしれないと考えてしまうのは,何が原因なんだろう。

・名称が似すぎているというのも理由の一つだけど,それだけじゃないと思う。詳細は後日。

コメント(3)

じょに wrote at 2011-10-17 08:13:

それは,数学が体系的学問であるのに対し,情報と言われているものが応用技術にすぎないと思われてるからでしょ。

わたやん wrote at 2011-10-17 10:06:

一言で言い尽くされちゃうと,今日書くネタがなくなっちゃうじゃないですか。

じょに wrote at 2011-10-17 16:28:

めんご…m(_ _)m
でも,これ以上書くことある?

コメントの受付は終了しました。

2011.10.12 (Wed)

PenFlowchart 0.6

・地味にhttp://watayan.net/prog/で公開しているが,今回の更新の目玉は,PenFlowchart上で直接プログラムが実行できるというもの。どうしてそんなことができるかというと,PENのソースコードをまるっと取り込んでいるから。こういうことができるのもGPLだからだなぁと思う次第。その分,Copyright表示が賑やかになってるけどね。で,PDF出力は取り下げた。というのは,使ったライブラリがAGPLなので,GPLとどう食いあわせていいのかよくわからなかったから。ライブラリ使うだけだったらいいのかもしれないなと思ってはいるんだけど,わからないままというのもアレだし,PDF出力なんて誰が使うんだろうと思ったりもするので(ソースコードからはコメントアウトしてあるだけなので,そこを戻してライブラリ入れれば使える)。

・さて,授業でこれを使っていくか,それとも0.5でPENにコピーさせて使っていくか。もちろん0.6の方が楽なんだけど,これだけだとテストのときにプログラムが手で書けるようになるかが不安なんだ。

コメント(2)

だきわ wrote at 2011-10-13 15:40:

すごいです。これ,うちみたいな所には便利だと思われます。
ああ,フローチャートの中に一度入れちゃうと,それを移動することはできないのですね。タイリングプログラミングと違って一度削除してもう一度入れ直すということになるんですね。
これはこれでシンプルでいいと思います。

わたやん wrote at 2011-10-13 23:22:

PENへの橋渡しをしたいということが主目的なので,そのあたりはPENだとどうすればいいか(たとえばループを入力支援ボタンで入れてから中身を書くとか)につながるようにしたいと考えています。まあその方が実装が楽というのはありますが。

コメントの受付は終了しました。

古いページ 新しいページ