最近話題の未履修科目問題だが,情報の2単位のうちの1単位(あるいは全部)を理科や数学に回していたというケースも報道されるようになってきた。大学で新入生に向けて行なった聞き取り調査では2〜3割の生徒が情報を履修していないと回答したそうだが,残りの7〜8割にもこのようなケースが少なからず含まれているはずだ。学校の中では情報教員は(入試にあまり絡まないという点で)立場が弱く,国社数理英の教員に押し切られて単位を減らされたケースも多いだろう。これを機会に正常になればいいのだが…。ジョーシン06でも「必修教科『情報』をどこがまともにやってるの?」という緊急企画が組まれたとのこと。
先日生徒たちの前で話す機会があったので,e-ontap事件をかいつまんで説明した後,
こういうことはインターネットでは珍しくない。「目の前のものが動いていればOKを出す」というのが仕事としてまかり通っているのが現状だ。
そしてそれは,学生時代の「先生に丸をもらえればいい」の延長にあるものだ。社会人になれば先生が上司や役所に代わるだけのことで,本質的なところは何も変わってはいない。マンションの強度偽装,岐阜県庁の裏金…世を賑わしたそれらの事件も根は同じ,誰かに自分の行動を採点してもらって丸(あるいはハンコ)をもらうことが目的だと勘違いした結果だ。君たちは自分の行動を自分で採点できる大人になってほしい。
というようなことを話した。学校自身が自分のやってることを採点できなくなったら,子供たちは何を見て成長したらいいのか。そう考えると,この一件は学校界にとっていい薬だ。
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