不定期戯言

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2010.09.10 (Fri)

なぜノートPCを持ち歩くのか

・先日電車内でケータイと電卓を同時に片手で持って操作している人を見た。パソコンなら一つの画面で用が足せるのだが,だからといって彼の操作がそれに劣るという要素は何もない。現に必要な作業がそうやってこなせているのだし,ケータイと電卓を合わせたサイズも重さもノートPCよりずっと小さいのだ。

・iPadやiPhoneがあればノートPCを持ち歩かなくていい(あるいは持ち歩くどころか所有さえしなくていい)と考える人も増えてきたようだ。インターネットに接続できるし,アプリケーションだってたくさん開発されている。それで十分であるような場面は多い。ならば私はどうしてノートPCを持ち歩くのか。私だって出先ではメール確認や文章書き程度のことしかしないのが普通だ。それだったらiPadでも何ら不足はない(持ってないけど)。だったらどうしてこんな重くて大きいものを…というと,何かやりたくなった場合にそれができないというのが嫌だからなのだと思う。実のところ,出先でふとプログラムが書きたくなることが,今までになかったわけではないのだ。もっとも,それだってiPadからsshでどこかのサーバに入って済ませられることなのかもしれないが。

コメント(6)

argon wrote at 2010-09-11 14:24:

| '-') キーボードがないと落ち着かないので iPhone, iPad は却下だと思ってます。
交通機関で移動中は HTC Desire (135g) ですごしてましたが、やはり欲求が不満して、au IS01 (227g) に手を出してしまいました。

tkamada wrote at 2010-09-11 17:52:

クラウドとかインターネットとか信用できるのか?と、ちょっとでも疑問があったらPCじゃないとサバイバルできないと思います。

PC以下のカテゴリデバイスで仕事するなら、インターノットとかクラウドとかと心中する覚悟がないと。あるいは脱獄とかして、PCとして使うか。

あと、Appleは巧妙に金を巻き上げていくので、iなんとかは、お金を節約したい人は近づいちゃいけないと思います。OSSで生きていかれるスレートとかパッドとかのカテゴリデバイスはもう少し先なんじゃないかと。

乙 wrote at 2010-09-12 16:53:

やっぱりパソコンの方が結果的に物事がはやく進みますよね
電池はおそろしくもちませんが

わたやん wrote at 2010-09-20 17:29:

キーボードはあるに越したことはないです。iPhoneのフリック入力をたくみにやってるのをYoutubeで見るとかっこいいとは思いますけど(生で見たことがない),それに熟練してしまうと,iPhoneへの依存が強くなりそうで抵抗が(持ってもいないくせに何を言ってるんだ)。

確かにクラウドとかインターネットとか外部世界を完全には信用していないところが私にはあると思います。だからこのブログも,すべて自分の手元にオリジナルのテキストが残してあって,それを自作スクリプトで処理しています。一時期niftyの掲示板使ってたけど,あれは手元に残らないから自分でも足が遠のいてしまっていました。
「お金を節約したい」というのは実に的確な表現で,私のやってることのいくつかはお金を出してもできる,でも出さなくてもできる,その程度なら手をかけてお金を出さないで済ませますよと。だから手をかけられないものは苦手ですね。

パソコンの方が早いか…というと,私がすることなら確実にその方が早いのですが,ほかの人もそうだとまでは思っていません。ただ,私にとってはこっちを選ばない理由がないのでパソコンを使っています。電池はもっと長持ちしてほしいです。

ほった wrote at 2010-09-22 11:28:

郵便局辞めたとき次の仕事で携帯メールを頻繁に使うことが判っていたから電話機をスマートフォンにした(携帯電話のテンキーじゃ良う入力できないから)。
しかし今の仕事じゃ携帯メールなんて打たないから普通の電話機でも十分。ただ縛りの関係でスマートフォンは使い続けている(通話プランなのでネットには繋がないが)。
してPCだが、これも私物の持込自粛なため日常的には持ち歩いていない。
なんかどんどん廃人から一般人になって来ている。良い傾向(?)だ。

といってみる。

わたやん wrote at 2010-09-22 19:56:

自分のスタイルは決して一般的ではないと思っています。先日長女のノートPCを新調するにあたって,彼女は家の外に持ち歩く気はまったくないとのことでした。それはそれで一つのスタイルだと思っています。

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2010.09.02 (Thu)

この発想はなかった

・twitterでみた話。

#include <stdio.h>

int main(void)
{
  int hoge[]={
#include "hoge.csv"
  };
  int i;
  for(i = 0; i < sizeof(hoge)/sizeof(hoge[0]); i++)printf("%d\n", hoge[i]);
  return 0;
}

コメント(2)

かわ wrote at 2010-09-02 14:15:

わりかし、古典的なテクニックですね。難点はデータファイルをいじっただけなのに、再コンパイルが必要なところです。一発ものにはいいのか。

わたやん wrote at 2010-09-02 14:32:

そういえばXBM形式の画像ファイルの中身みたときには驚きました。Makefileにこれだけ書くのも面倒ではありますね。

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マルチタスク

・自分の,マルチタスク苦手っぷりはいい加減なんとかしなくちゃいかんと思った。PC相手だったら別にいい,こちらの切り替えまで待たせておけばいいんだから。相手が人間だと待たせてることばかり気になって,休眠中のはずのタスクが意識の前面で邪魔をする。それであちこち不義理をしてしまってもいる…。人組織の中で動く以上,なんとかせにゃいかんね。

コメント(3)

だきわ wrote at 2010-09-02 22:53:

いや、普通の人はマルチタスク苦手ですってば。
僕は苦手ですよ。擬似もしくは似非マルチタスクなら得意。

わたやん wrote at 2010-09-04 23:38:

それはそうなんですが…「四六時中考えていること」がないと落ち着かないですね。常にフルスクリーン状態というか,窓が1個しか開かない状態。

わたやん wrote at 2010-09-22 19:59:

「あっちが終わってないのに,どうして別のことに手を出してるんだよ」という風に自分を責める声が(自分の内側から)聞こえてしまう。他人に申し訳ないというより,自分のその声に怯えているというのが正直なところか。

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2010.08.30 (Mon)

教員免許更新講習の試験

・放送大学で講習を受けて,22日に試験があったのだけど,その話を書いてなかった。さっきアクセスログを見てたら「教員免許講習」「放送大学」「過去問」とかで検索してこのブログに来た人が何人かいるようだけど,過去問が役に立つような試験ではなかった。

・配布された問題の表紙を見てまず驚いた。試験時間30分に対して問題(4択)が8問だって?(「教育の最新事情」は50分で15問)まあ時間切れになるよりはマシだけど。で,出題内容はというと,講義を聞いてないと答えられない問題と,そうでない問題の落差があまりにも大きい。たとえば「スクールカウンセリング」の試験で「スクールカウンセラーは黒子に徹する」ことを主張したのは誰かなんて問題があったのだが,それって8問のうち1問を使って問うほど大事なことか?かなりきちんとノートをとっていたつもりで,このフレーズもノートに書いてあるのだけど,誰の主張であるかまでは書いてなかった。かと思えば「情報社会に対応した学校教育」では新小学校学習指導要領総則の解説の情報モラルに関する記述(略)情報には誤ったものや危険なものがあることを考えさせる学習活動,(ア)を害するような行動について考えさせる学習活動などを通じて,情報モラルを確実に(略)の(ア)を埋めさせる問題の選択肢が「健康」「コンピュータ」「ルータ」「成績」というのは,ちょっと出題者遊びすぎだろうみたいな(この科目の選択肢はそういう遊びが多い)。

・そんな風なので,1つくらい落としてるかもしれない。むぅ。

コメント(9)

tkamada wrote at 2010-09-06 11:38:

「やる側」としては、受講者を落としたくないという意識は強いです。でも、本当に困ったことに、授業でさんざんディスカッションしても全くなにも感じていない受講者がある程度いて、これをどうやって救うかが頭のいたいところです。よって、こういう変な問題が出るのはやむをえないと思うのです。

実施の趣旨として、「不適格教員を見つける意図はない」とされたことでこうなっちゃうのですよね。「こんなに鈍感では授業できないでしょあなた」と思う先生、講習やってみると、残念なことに、結構います。

わたやん wrote at 2010-09-06 13:02:

結局この制度の意味は何なのか,わからなくなっちゃいましたからね。早く見切りをつけてくれないものかと思います。

だきわ wrote at 2010-09-06 17:45:

今年度中になんとかなると思っていたらまだまだ先みたいですねえ。
どうなるんだろう?>更新制

tkamada wrote at 2010-09-11 17:41:

えっとー、いろいろこれで、おかねもうけしているえらいひとがいるのでー、よほどのことがないと、なくならないと、おもいます。

わたやん wrote at 2010-09-20 17:30:

そんなひとのために,わたしはさんまんえんもだしたのかー。しょぼん。

だきわ wrote at 2010-09-24 08:53:

うちなんかなくなるとおもってこうしゅうのもうしこみすらしていないと言ったひとがやく一名いるんですよぉ。まわりがすったもんだしていたら、「実は夏にインターネットで講習を受けて試験も受けた。結果待ち」じょうたいだという。すったもんだしたまわりは大迷惑。

豊後各駅停車 wrote at 2010-09-26 21:47:

初めてコメントいたします。
35・45・55歳の「現役講習」ですね。
私も大学の学部の関係で「理科」にチャレンジしたのですが、大学自体をギブアップしました。
「お金儲け」との話がありましたが、都心の自動車教習所も「高齢者教習」で儲けているので(「クルマ離れ」の前に「少子化」なのです)間違いではないでしょう。
中学は管理職以外が全員日教組に入る県。職員室には村山富市のポスターを掲げ、1986年7月6日の衆参同日選挙では(翌日開票)、コマ空きの教員とマセた生徒で開票速報を見ていました。
高校では日教組派と、いわゆる「麹町派」が対立し、新設校だけに主導権争いをしていました。
今の中学・高校はどうなってるのか?「大分なんかの田舎で生まれたら人生終り」の友達の一言が的を射ているのでしょう。

わたやん wrote at 2010-09-27 08:31:

豊後各駅停車さんってよく見かけるハンドル…と思ったら日本の標準でお会いしているのですね。こんにちは。
私はずっと私立でしか勤めていないので,公立の話や日教組の話が実感としてわからないでいます。自分が児童・生徒だった頃の先生がどうだったかというのも,よくわかっていません。実際(私はとびきり鈍感だったということはあるにせよ)子供は「わからない」から,教師が子供の前でイデオロギーを振り回すことをやってはいけないのですが,あちこちで困った状況はあるんでしょうね。今の職場でもある種の対立はありますが,生徒に不利益があってはいけないという最低限のところは守りたいです。

豊後各駅停車 wrote at 2010-09-27 17:43:

コメントにご返事を下さり、ありがとうございます。
私は「日教組教育」が割と好きなのです。「全国学力テスト」がトップになった秋田県のように、教員の指導が保護者に伝わり、生活習慣(早寝・早起き)に伝わればと思うのです。
教員の意思疎通のためなら、それが労働組合でも構わないと思うのです。
しかし「組合」が教員の意志表示を封じる機関になったら、それは問題だと思います。(これ以上書きません)
大分市も県立の普通科(全日制・共学)の7校が「合同選抜」の同じレベルから、全県1学区の単独選抜へ移行しました。私の高校は併設中学ができました。
一昨年の採用不正事件が「氷山の一角」と言われていますが、教科・学級担任から学年団・学校全体に至る意思統一をしながら、各教員は個性を生かせて授業をしてほしい。
公立でそれが出来れば、特別のブランド校を除けば「私立に逃げる」志向は薄まると思います。

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2010.08.29 (Sun)

beamer

・「LaTeX2e 美文書作成入門 第5版」第18章のプレゼンテーションの話で,beamerで作った文書をdvipsを使ってからps2pdfするのがうまくいかないと言っていた件なのだが,本付属のDVDからWindowsにインストールした環境で模索した結果,ようやく原因がわかった。文書冒頭で\documentclass[dvipdfmx]としていたのが間違い。dvipsにかけるんだから\documentclass[dvips]にすべきだという,ただそれだけのことのようだ。@kuroky_plusさんに報告したところ「それなら納得」とのコメントをいただいた。これで一安心。

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8月31日の絵日記のように

・遠征とかいろいろあっていっぱいいっぱいでなかなかブログを書くパワーがなかったのだけど,このまま9月になってしまったら書かないままで終わってしまう,ということで慌ててまとめ書きをした。

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2010.08.25 (Wed)

PIC16F88

・名古屋工学院専門学校がPICのセミナーをやってくれるというので参加した。使うのはPIC16F88。テキストで詳しい説明をしてくれたので,これだったら自分でも何か作れそうな気がした(そんな簡単じゃないんだろうけど)。トレーニングボードを同校で用意してくれたのだけど,参加費からみたら足がでまくってるんだろうなあ。

トレーニングボード

・PICライタは秋月で買えるのかな。使ってたのはたぶんこれだと思う。ソフトウェアの画面に不安定になるから14ピンを1MΩの抵抗でなんとかしといてみたいなメッセージが出るので裏返してみたら,抵抗が直付けしてあった。

オモテ面ウラ面

・そんなわけで,何かつくりたいという気持ちがうずうずしてきた。

コメント(8)

fa wrote at 2010-08-30 23:51:

えぇと、今日4Fの非常階段で会った者です。
上にある秋月のPICライタが家のどこかに転がってるはずですが、ご入り用ですか?

わたやん wrote at 2010-08-31 08:51:

ありがとうございます。でも私の場合こういうのは身銭を切らないと怠けてしまうので,入手方法も含めて楽しんでみます。

かわ wrote at 2010-08-31 14:06:

PICライター(プログラマー?)いまなら、PICKit3を使うのが楽ですよ。

わたやん wrote at 2010-08-31 15:33:

PICKit3だとUSBでじかにいけるけど,ソケットとの結線を自分でやる必要がある(といっても5本か)のですね。どっちにしようかなあ<とか悩むのが楽しい(^^)。

tkamada wrote at 2010-09-06 11:43:

秋月のライタは作るのが楽しい部分が大きくて、実際に使うとなると、やっぱりデバッグしやすさとか含めて本家にはかなわないです。

そうなると、「両方買う」が答えになるのかな? :)

ただ個人的にはPICはもう思い出したくないです。日本語の資料が少なすぎるのですが、AVRが普通の人にはよほど楽だ(プログラムが書きやすい)と思います。gccがあるのでwineとか使わなくてもクロス開発できるのがいいと思います。

わたやん wrote at 2010-09-06 13:05:

AVRでぐぐってみたら,やねうらおさんが書いた「いますぐPICをやめてAVRに移行すべき10の理由」が出てきました。
http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20080228

tkamada wrote at 2010-09-17 10:44:

秋月も、PICKit2互換のライタキット売ってるんですね。値段も同じぐらい。

そういえば、PICもAVRもハーバードアーキテクチャといって、プログラム側とデータ側はメモリ空間が違っていて相互にアクセスできないので不自然なコードになるのは同じ、という罠がありました。

ちょっと値が張りますが、ARMのMシリーズはハーバードアーキテクチャながら見かけ上同じメモリ空間に両方あるのでコードが小さくなる、という記事を読みました。LPCXpressoは意外とツボかもしれません。

ただ、PICKitにせよICPは楽ですが、MPUをソケットから抜いて、HEXファイルをライタで書き込んで、基板にMPUを挿し直す、という作業は、(MPUのピン大丈夫かなぁ)とか(これだけ苦労してバグ取れなかったら泣けるよなぁ)とかのドキドキ感がないので、ちょっと寂しいかもしれません。かなりマゾヒスティックな悦びですが

わたやん wrote at 2010-09-20 17:33:

ドキドキ感は大事だと思うのです。マイコンじゃなくて普通にPC上のプログラム作ってるときだって,makeは祈りを伴います。いわんやハードウェアをや。

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2010.08.21 (Sat)

全国高等学校情報教育研究会

・19日の夜行バスで金沢に移動。駅内の白山そばで朝食をとったり,駅そばのサウナで休憩したり。

・まず文科省永井視学官の講演「新学習指導要領と教科『情報』」。内容の骨子については既に我々は何度も耳にしている。問題は,我々以外の人が「情報」を中心に行なわれる日本型情報教育について知らなさすぎることであるとの話。そのために「情報=コンピュータ」というような間違った認識が世にはびこっている。この件については夜の懇談会で永井氏に直接訴えた。たとえば先日名古屋で行なわれた学習指導要領説明会では,情報と公民の連携について,情報では説明があったのに公民では説明がなかった件。あるいは我々が日本型情報教育をいかに理解していたとしても,それを知らないクラス担任,他教科の教師,中学の教師が間違った認識をすり込んでいる件。

・ポスターセッションでは,近藤敏文氏(天白高校)が色の三原色の説明のためにプロジェクタのディスプレイケーブルを切断し,RGBをつなぎ変えることで色が変わることを示すという実践を紹介していたのが興味深かった。ケーブルは「複合同軸」と書かれているものを選ぶと,余計な線を切らずに済むので作業しやすいとのこと。最初はスイッチで切り替えることも考えたというが,それよりもこのようにクリップでやる方が直観的でいいと思う。また,能代茂雄氏(都立上野高校)は都立の情報教員だけをメンバとするSNSの話。守秘事項に話が及ぶこともあるので,メンバをむやみに広げないことも時には必要だと。なるほど。小原格氏(都立町田高校)はジャストシステムのテキストマイニングソフトを使って自由記述から傾向をつかむという話。たしかにこれは有用だと思うのだが,問題はソフトウェアが高額だということ。

写ってるのはスイカクリップでつなぎ変えができる

・「『基礎情報学』と『情報C』」中島聡氏(埼玉県立大宮武蔵野高校)
高校の情報科,特に情報Cは親学問がないということがよく話題になる。そこで西垣通氏(東京大学)らが研究している「基礎情報学」をその根拠にしてはどうかという提案。私の考えとは必ずしも相容れないところがあるが,情報やその伝達というところに背景を与える方法の一つではありえるだろう。

・「問題解決力をつけるために」江守恒明氏(関西大学中等部高等部)
問題解決はすべての知的な機能の中で最も複雑な思考である。その獲得については単純なノウハウがあるわけではなく,生徒には実体験を通じて身につけさせることが求められる。もちろん「問題の発見と明確化」→「分析」→「解決策の検討」→「実践・結果評価」→…というサイクルや,各種手法(シンキングツール,ブレスト,ディベート,KJ法,図解法…)については説明するが,きちんと時間をとってそれを実践する活動をしなくては何の意味もない。同校では中等部で「考える科」として13コマの実践を行なっているとのこと。

・「アルゴリズム的思考による計測・制御と問題解決学習」稲川孝司氏(大阪府立東百舌鳥高校)
ヴインストン社の台車型ロボットBeauto Racerを教材として用いた。このロボットはUSBでPCと接続して,作ったプログラムを送りこむことができる。これのシミュレータがよい出来で,画面上でフローチャートによってプログラムを作り,その動作を画面上で確認することができる。開発手順は,そうやってシミュレータ上でプログラミング・動作確認したあと,実機にプログラムを流し込んで動作確認するということになる。このシミュレータ自身はLinux上でwineを用いて動作させることができることを自分のノートPCで確認した(ただし実機がそのままではUSBデバイスとしてうまく認識されない)。フローチャートが構造化されていないことは,私にとっては不満ではある。私自身も興味があるのでBeauto Racerは1台購入した。そのうちじっくり遊ぶつもり。

デモ

・「モデル化とシミュレーションについての実践」野部緑(大阪府立桃谷高校)
この単元では数式モデルを扱うことになるが,実は現実にあることをモデル化することは極めて難しい。これは数学の文章題がたいてい嘘臭く見えるのと同じで,高校生の能力で自らモデルを設定してシミュレーションを行うというのはあまり現実的でない。そこで逆に,数学の文章題にあるような問題を題材にモデル化を行い,それをPCで解いてみようという実践である。私見であるが,たとえば数学でよく扱われる2変数の線形計画法,あれの解答が書ける生徒のうちどれだけがちゃんとしたイメージを持てているだろうか。イメージが持てずにただ機械的に計算式を書いている生徒がいるとしたら,この実践が逆に数学の理解にも役立つと思うのだ…ということをコメントしようと思ったが時間切れ。

・家へのおみやげは中田屋のきんつば。わりと軽い感じの甘さでいい感じ。

きんつば

コメント(7)

だきわ wrote at 2010-08-30 05:01:

ああ、いいなあ。全国の皆さんがんばってるんですねえ。
こんなきっちりとした研究も実践もしてませんが私。(汗)
それでもいいですか?

わたやん wrote at 2010-08-30 09:01:

私も名前だけはある程度知られているので,こういうところに行くと「発表とかしないの?」と聞かれてしょぼんとしてしまいますが,どの場に行っても自分の立ち位置で話ができればそれで自分に意味はあるだろう(それしかできんし)とも思っています。
永井視学官に伝えたのは,例の学習指導要領説明会の一件です。「やっぱり公民では言わなかったよね」とのこと。

だきわ wrote at 2010-08-30 11:16:

どうも数学(後日実施されたの)では連携を言われてたみたいよ。

わたやん wrote at 2010-08-30 11:42:

だきわさんが指摘した甲斐がありましたね。

こん wrote at 2010-08-30 15:31:

紹介していただいて、恐縮です。
内容はともかく、発表することで情報交換のネタになればと思い、気楽に参加してます。

わたやん wrote at 2010-08-30 16:31:

発表の内容を自分とこでそのまま使うってことはなくて,その中からアイディアをもらうということですよね。見る側も感想を伝えることで反応を起こすことができると思うので,必ずしも発表する側でなくていいやとも思っています。

こん wrote at 2010-08-30 21:30:

コンピュータは高性能になったけど、昔に返って、もっと、単純で、素朴で、電気が流れていることが実感できるよなものを、情報の授業に取り入れたいという思いから生まれた教材です。なおかつ、速い(簡単にできて)、安い(材料費は安く)、美味い(生徒がへーっと言ってくれる)が条件ですけれど。

発表をしたことが踏み台になって、新しいもの生まれてくると面白いですね。皆さんからいただいた感想が、次につながります。我が県にもそいう場を作りましょう。ざっくばらんに、ゆるーく。ノンプレッシャーの会を。

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2010.08.19 (Thu)

SSS2010

・ということで昨日から群馬県へ。温泉地ということで,いろいろ懐かしいものを目にする。予稿集の執筆者名を全部書くと大変なので,発表者の名前だけ。

会場遊戯室懐かしい看板射的とか石段の多いところだった丸いポスト

・「情報Bにおけるプログラミング実践の報告」保福やよい氏(神奈川県立相模向陽館高校)
CSアンプラグド第12章「プログラミング言語」による導入で,紛れのない表現は意識しないとできないことに気づかせる。それを踏まえた上でドリトルによるプログラミング体験から自由課題・発表・相互評価を行なったとの報告。自由課題ではアニメーションがほとんどであったが,ゲームもいくつかあったとのこと。

・「アンプラグドを活用した公開鍵暗号学習プログラムの情報科教育への適用」間辺広樹氏(秦野総合高校)公開鍵暗号の概念を説明するために,CSアンプラグド第14章「ツーリストタウン」で最小支配集合問題を説明し,第18章「キッドクリプト」でそれを用いた公開鍵通信を体験させた。授業ではFlashを使って説明したようだが,彼のサイト「海の近くの情報教室」では公開されていない様子。

・「セキュリティの指導を視野に入れた『ネットワークのしくみとプロトコル』における体験的な学習について」小原格氏(東京都立町田高校)
いわゆる「紙パケット」による実習。ブロードキャスト,ルーティング,TCPについて原理的なところを体験させようというもの。

・「ボール式マウスを用いた自律型ロボット用位置センサの開発の試み」高山大輝氏(静岡大学)
ロボットが現在位置を取得するための道具として,ボール式のマウスを使おうというもの。「ソースは公開しないの?」「考えながら書いててぐちゃぐちゃだから」というやり取りがあったのだけど,それくらいのことであれば隠すことはないと思う。

こんな感じ下から見たところ

・「タイルスクリプティング環境を利用したアルゴリズム学習の実践報告」五十嵐誠氏(神奈川県立横浜清陵総合高校),谷川佳隆氏(千葉県立船橋豊富高校)
Squeak eToys,Scratch,アルゴロジックなどをプログラミング学習の導入に用いた実践の報告。アルゴロジックはSSS会場でもずいぶん流行ってしまって,休憩時間が終わって席に戻ろうとするとあちこちのノートPCでやってるやってる…おかげで最短手順の新記録まで出てしまう始末…。Squeak やScratchはブロックの組み合わせでプログラミングするので,文法エラーが決して起こらない。この点については賛否両論あるが,私はこのような環境「も」必要だと考える。できればフローチャート形式で同じようなものを作ってPENと連動させたいのではあるが。

・「小中高校の情報モラル教育はどのような問題・状況に対処しなければならないか」阿部圭一氏(愛知工業大学)
話された内容をここに要約することは難しい。たとえば著作権については社会全体で意識が希薄であり,動画サイトに違法アップロードされた動画を見ることに罪悪感を持てといっても難しい状況である(実際,作者へのファンレターにそのような形で動画を見たことを書いてしまうというもある)。このことをたとえば「情報」の授業だけで言ってもしょうがない…たとえば他教科の授業で「こないだのNスペはいい内容だったからYoutubeで探して見とけ」という話がなされないとも限らないわけで。携帯電話については,持ってくるなといいつつ部活顧問やクラス担任が生徒の電話番号を集めているのが現状。このホンネとタテマエの乖離が気持ち悪い。

・「文系大学における一般情報教育」立田ルミ氏(獨協大学)
参加者は発表中もMoodleで意見交換していたのだけど,そこでいわゆる「Excel方眼紙」の話題もあった。紙をPCの画面に置き換えるだけでは誰も幸せにならないのにね。でもそういう感覚の人が多いのは事実。それがなくならないことと「でもしかSE」とはつながりがあるように思われる。

・「Rを使った情報教育」奥村晴彦氏(三重大学)
R はもちろん統計解析環境ではあるのだけど,プログラミング教育にも有効ではないかという話。そこで気になったのが,Rのベクトル計算の自由さ。ベクトル同士の加減や定数倍はともかく,スカラーの加減やベクトル同士の乗除,あるいは2乗や関数をベクトルに作用させるということは,初学者にとって本当にわかりやすいことなのかということ。慣れた者は自然と実装をイメージするのだけど,それができないことがわかりやすさにつながるのか,わかりにくさにつながるのかが,我々には既にわからなくなっている。

・「青少年とインターネット問題の社会的構築」伊藤賢一氏(群馬大学)
参加者同士の情報交換に興味深い話があった。たとえば性的被害とかの中心が出会い系から非出会い系に移って久しいのだけど,EMAがいかに無意味であるかとか(非出会い系で2009年に被害にあった児童の44%がEMA認定「健全」サイトだったというニュースがちょうど配信された。EMAは「サイトでなく利用者が悪い」とコメントしているが,だったらなぜそれを「健全」と認定したままにしておくのか),需要と供給が成り立ってる以上いたちごっこにしかならんわなとか,ちょっと言えない話とか。

・「e-Learning型講義における成績と学習データから考えられるドロップアウト兆候者早期発見手法の提案と検証」高岡詠子氏(上智大学)
研究内容はともかく,いまどきの大学生はこういう心配もしてあげないといけない時代なのだなぁと。

・2日目の最後は,神沼先生が論文を書く上で気をつけるべき事柄についてレクチャしてくださった。私は論文を書くような研究なんてしていないのだけれど,「ああ,論文というのはそういうものなんだ」と考えを一新した。「論じることと説明することは違う」というのは,確かに私自身ハマってしまいそうな点だ。

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2010.08.14 (Sat)

津ぎょうざ

・お盆ということで親元に顔を出しに行ったのだが,津のココイチで「津ぎょうざカレー」なるものをみかけた。話のネタに食べてみてもよかったかもしれない。

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